6月15日

<蹴大成>本田に追い風 高地トレ効果

キャンプ地で初練習する本田=カザンで(共同)

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 日本代表が14日、W杯ロシア大会のベースキャンプ地となるカザンに入った。19日には初戦・コロンビア戦を迎える。平均年齢28・3歳で史上最高齢となった西野ジャパン。「集大成」を誓う選手にスポットを当てる「蹴大成」。第1回は3回目のW杯で初のスタメン落ちの危機に陥るなど逆風が吹くMF本田圭佑(32)=パチューカ=に、マラソン界の名伯楽・小出義雄さん(79)が意外にも太鼓判を押した。

 本田がメキシコで積んだプレー経験はロシアの地で生かされる−。高地トレーニングの先駆者で高橋尚子さんを女子マラソン金メダルに導いた小出義雄さんが太鼓判を押した。本田は昨夏から1年間メキシコ1部リーグでプレー。標高2400メートル以上のパチューカで練習、試合をしてきた。

 小出さん「2カ月以上、高地にいるとヘモグロビンの数値が上がって酸素の運搬機能が上がる。それで平地に下りたときに苦しくなくなる。その効果は2週間くらい。しかし、1年間高地にいると2カ月ほど効果が持つと私は思っている。W杯まで効果が続いているはず」

 1年間、メキシコに身を置いたことが「吉」と出るという。本田が帰国したのが5月3日。スタミナ、体の切れは6月末まで継続されるのだ。少なくとも今大会1次リーグまでは、高地トレの恩恵を受けることになる。本田自身も「実際、平地に戻っていろんなテストもやっていますが、数値に関してもいい感じだと思います」と手応えを口にしている。

 「Qちゃん(高橋尚子)は五輪前にロッキー山脈で3600メートルの高地トレを行った。それが金メダルにつながった。最初は『手がしびれる』、『腕がしびれる』と言っていた。でも、私はQちゃんに『金メダル行けるぞ』『いい顔しているぞ』と声をかけた。そのうち、Qちゃんはいい顔になった」

 「高地トレの効果は他にもある。『自分は1年間、高地トレをやったんだ』という意識が働くようになる。この意識、自信というのはとても大きい。本田君にとって高地トレはけっして無駄にはならないと思うよ。すでにスタミナも自信もたくさんついているはず。『俺はやったんだ』という意識の高さはとてもポジティブに働く」

 西野監督も司令塔の変身ぶりに気付き、スイス戦後(8日)に「予想以上に動きも取れていた。守備に入る意識、連動しようとする意欲、守から攻に切り替えるところのつなぎ。全体的には予想以上に(運動)量的にもありました」と評価した。トップ下を争う香川が12日のパラグアイ戦で活躍。本田は先発落ちの危機に陥っているが、“金トレ”効果で逆風をはねのけられるか。(占部哲也)

中スポ 東京中日スポーツ

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