6月1日
<中西哲生の哲学>驚くほどサプライズなし
驚くほど、サプライズのない選出だった。23人を見ると、3大会連続となる長谷部、本田ら経験重視の選考となった。
気になったのはDF陣の多さ。3バックと4バックの併用が予想されるとはいえ、遠藤や槙野は複数のポジションができることを考えると、ダブついている。チームのなかで足りない要素があるから、もったいない気がする。
それは、一人で状況を打開できるドリブラーの存在。純粋なドリブラーと言えるのは乾しかいない。宇佐美も以前は典型的なドリブラーだったが、今はスペースをつくりながら周囲と連係して攻めるプレーも増えスタイルが変わっている。数的不利をものともしない、あるいは一瞬にして数的優位な状況に持ち込めるドリブラーが乾だけで、しかもコンディション万全ではない。本大会までに100%の状態になることを願うしかない。
大会前の状況は、2010年W杯の時とよく似ている。逆境に立たされ、世の中から期待されていないなかで、主役ではなかった本田のゴールでチームは勢いづいた。その本田に期待する一方で、本田のようなフレッシュな選手が出てくるかどうか。乾のほかに、柴崎や大島を輝かせるチームになれば、希望が持てる。 (元名古屋グランパスMF)
