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能登半島地震特集進まぬ住宅再建 3割『依然見通し立たず』本紙仮設住民アンケート高齢者 厳しい資金能登半島地震で仮設住宅に入居した世帯のうち、三割近くが住宅再建の見通しが立っていないことが、中日新聞北陸本社によるアンケートで分かった。半年前の調査とほぼ同じ割合で、高齢者を中心に、住宅再建の見通しが立たず今も悩む人たちの姿が浮かび上がった。 住宅の再建について「建て替える」または「修理する」など、めどがついた人は合わせて67・3%。一方で「建て替え、修理をできない」「分からない」と答え、見通しの立っていない人は合わせて28・7%だった。 「年齢が原因でお金を借りることができないのが不満だ」(五十代男性)、「家を再建したいが資金がなく困っている」(八十代女性)など、資金繰りに困っている様子がうかがえる。 国や自治体に期待する支援としては、住宅再建を挙げる人が47・5%で、前回調査とほぼ同じく半数近くに上り、全年代にわたった。将来への不安も「住宅の再建・修理」が最も多い28・7%だった。 一年近く続いた仮設住宅での生活でも「なんとなく不安」(24・8%)、「よく眠れない」(25・7%)と訴える人がそれぞれ、ほぼ四人に一人いる。いまも住宅再建や余震の恐怖などで、精神的に不安定な状況が続いているようだ。 「一人になるのが怖い」(6・9%)、「訳もなく涙が出る」(5・9%)など、地震による心的外傷後ストレス障害(PTSD)とみられる症状を訴える人は、半年前の前回調査よりいずれも微増した。 調査の方法 3月8日、七尾看護専門学校(七尾市)の協力を受けて同校学生が面接による聞き取り方式で行った。対象は石川県輪島市、穴水町、志賀町、七尾市の仮設住宅5カ所の入居者で、男女101人(輪島市72人、穴水町20人、志賀町5人、七尾市4人)から回答を得て集計した。
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