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能登半島地震特集能登半島地震から1年 完全復興 まだ遠く
仮設入居 今も579人能登半島沖を震源に石川県内で観測史上最大の震度6強を記録し、住民一人が死亡、家屋倒壊など甚大な被害をもたらした能登半島地震から、二十五日で一年。被災地周辺の道路など生活基盤はほぼ復旧し、県も「復旧から復興への節目」と位置付ける。しかし、輪島市など二市二町の仮設住宅十カ所には、今も自宅が損壊した二百五十一世帯、五百七十九人が暮らしている。完全復旧、復興までの道のりは遠い。 (報道部・室木泰彦) 県の地震被害まとめ(今月二十四日現在)では、住宅被害は全壊六百八十六棟、半壊一千七百三十九棟、一部損壊二万六千九百三十二棟。住宅以外でも四千四百七十七棟の被害があった。仮設住宅の入居者も昨年六月のピーク時には三百二十九世帯、七百三十六人にまで達した。 能登半島地震の約四カ月後、昨年七月十六日には新潟県中越沖地震が発生し、政府は昨年十二月、石川県などの強い要請を受けて改正被災者生活再建支援法を施行。住宅本体の再建も支援されるようになり、年収や年齢条件も撤廃されて対象者は拡大。能登半島地震では、既に九割超の被災者が申請したという。 二年間の入居期限があと一年に迫った仮設住宅入居者について、退去後の入居先のめどが付かない被災者への対応が喫緊の課題といえる。また、輪島市町野町の国道249号八世乃洞門トンネルでは夜間通行止め(午後十時〜翌日午前三時)が今も続いている。 谷本正憲知事は「住宅再建を軌道に乗せるのが最優先。地場産業も残る約三割の作業場の復旧を加速させたい。風評被害は完全に回復していないが、能登の元気をアピールし、以前を上回る人を呼び込みたい」と話す。 二十五日には輪島市などで復興へ向けたシンポジウムなどが開かれる。また、輪島市の二カ所で「能登ふるさとモデル住宅」が完成し、住宅再建の参考として披露される。 能登半島地震 2007年3月25日午前9時41分、石川県輪島市から南西約30キロの能登半島沖で発生した。マグニチュード(M)6・9、最大震度6強。能登地方の被害は死者1人、重軽傷者338人、住宅の全半壊は2425棟。現在も石川県輪島市など2市2町の仮設住宅10カ所に251世帯、579人が暮らしている。
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