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能登半島地震特集

観光回復これから正念場 和倉温泉 8割 輪島市内 7割

 能登半島地震から四カ月になり、観光客は少しずつ復興が進む被災地へと足を向け始めた。一時は前年の三、四割まで落ち込んだ宿泊客数が、七尾市の和倉温泉では八割、輪島市内では七割まで回復した。

 七尾市の和倉温泉旅館協同組合加盟の二十七旅館の宿泊客数は四月は二万七千人(前年同期比41・3%)、五月は五万八千四百人(同71・6%)だった。集計の途中の六月は、最終的に約80%になりそうという。

 輪島市内の旅館や民宿など七十七軒の宿泊客数は四月は五千百人(前年同期比34%)、五月は一万四千四百人(同61%)、六月は一万九百人(同67%)だった。

 地震直後から、観光関係者は客を呼び戻そうとPRに取り組んだ。

 和倉温泉と輪島温泉の女将(おかみ)たちは、全国各地の街頭に立ち、元気さをアピールした。県や観光団体などでつくる「ようこそ能登」観光キャンペーン実行委員会は、旅行会社の協力を得ようと取り組んでいる。関東、関西、中京圏の業者の企画担当者らを招き、能登の観光地をPRしている。

 和倉温泉旅館協同組合事務局長の芦本芳朗さんの説明によると、一九九五年の阪神大震災、二〇〇四年の新潟県中越地震では、客足が八割に戻ってから地震前の水準に達するまで一年から一年半かかったという。だから、観光の回復は「これからが本当の正念場になる」(芦本さん)と気を引き締める。

 不安視されるのは、十六日の新潟県中越沖地震の影響。芦本さんは「どういう風に作用するか分からない。(首都圏などでは)北陸地方が一体とイメージされているので、マイナスになる可能性もある」と心配する。

 

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