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能登半島地震特集

風評被害 脱却へ正念場 夏の集客 アイデア勝負

勇壮な「あばれ祭り」を楽しむ観光客ら(左)。和倉温泉は宿泊客をバスで送迎した=6日午後9時半、石川県能登町宇出津で

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北陸各地の観光地 

 「夜のバス送迎で本物の祭り見学を」「マイカーのお客さまにはガソリンを提供します」−能登半島地震の影響が続く北陸の観光地。秋の紅葉シーズンに次ぐ“稼ぎ時”で家族やグループなどが中心となる夏休み期間に向け、ユニークなサービスを展開。地震の風評被害を少しでも取り戻そうと懸命だ。 (鈴木智重)

 和倉温泉旅館協同組合(石川県七尾市)は今月から、能登の夜祭りを現地へ出向いて見学するバス送迎を始めた。ターゲットは中高年のグループや若いカップルら。初回の六日は、奥能登の「宇出津あばれ祭り」(能登町)に二十五人を送迎。炎が夜空を焦がす中、キリコと呼ばれる山車が練り歩く勇壮な光景に、好評を得たという。

 従来は温泉街に各地のキリコを集めるイベントを催していたが、「本物の祭りの臨場感を楽しんでもらおう」と発想を転換。対象は名舟大祭(同三十一日、輪島市)宝立七夕キリコ祭り(八月七日、珠洲市)など六つの祭り。料金は七百−千円。すぐ近くで催される石崎奉燈祭(七尾市、八月四日)は、各旅館がマイクロバスで無料送迎する。

 地震被害が出た和倉温泉は、四月の宿泊客数が前年同月比41・6%、五月でも71・6%。六月は約八割まで戻ったものの、旅館協同組合は「新潟県中越地震の周辺観光地では、八割から取り戻すのに苦労したという。これからが正念場」と気を引き締める。

 ガソリンを贈る“直接的”なサービスを展開するのは山代温泉(石川県加賀市)。ここも地震以降の宿泊客は約一割減。「夏に盛り返さないと、減少のままのみ込まれていく」(山代温泉観光協会)という危機感は強い。ガソリンは七月二十日−八月三十一日(八月十一−十六日を除く)に二人以上で宿泊したマイカー客に、距離に応じてレギュラー十−三十リットルの引換券を出す。「事前調査では集客力に高い効果があった」と自信を示す。

 立山黒部貫光(富山市)は先月末から、旧立山参拝道を利用した「歩くアルペンルートスタンプラリー」を始めた。十九カ所に設けたスタンプを集めると雄山神社峰本社に祈願札を奉納できる特典付き。「信仰の山・立山」とのテーマ性を持たせることで、山歩きが好きなシニア層の掘り起こしを狙う。

 数回訪れなければ全スタンプを集められないため、リピーターを見込んで期限を二〇〇九年十一月末と長く設定した。アルペンルートの入り込み客は四、五月に二割減とこちらも苦戦。六月は前年並みまで戻っており、同社は「まず一度足を運んでもらうきっかけに」と期待する。

 

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