トップ > 北陸中日新聞から > 能登半島地震特集 > 記事一覧 > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

能登半島地震特集

能登の被災建物修理 高額工事勧誘で苦情

いまだに屋根にブルーシートがかかる集落=輪島市門前町道下で

写真

県消費生活センター トラブル相談相次ぐ

 能登半島地震から三カ月が経過し、被災地で復興が進む中、県消費生活支援センター(金沢市)には、家を訪れた業者に破損家屋の高額な補強工事を勧められたなどの苦情が寄せられている。六月に入り相談件数は落ち着いたが、センターは「その場で契約せず、家族などに相談してほしい」と呼びかけている。 (高橋雅人)

 輪島市門前町など被災地では、屋根にブルーシートがかけられたままの家も目立つ。多くは、地元の業者に屋根や住宅内部の修理を頼むが、需要が多いため、二、三カ月待ちの場合もある。このため、被災者宅を訪れる地元以外の業者と交渉するケースも多く、センターには五月下旬の時点で保険会社とのトラブルも含め地震関連の相談が二十三件。うち九件は建物修理への苦情だった。

 中には典型的な悪徳商法もあり、一人暮らしの男性は、業者に住宅の耐震診断を勧められ、床下を調べてもらったところ、「基礎に三カ所ヒビが入っている。このままでは倒壊の恐れがある」と指摘された。男性は床下工事の契約をしたが、話を聞いた息子が地元の建築士に見てもらうと、「強度には全く問題ない」ことが分かり、相談を受けたセンターは、業者にクーリングオフを通知し、無条件解約となった。

 ほかにも「ずれた瓦を総額三万円で直すと業者に言われたが、高いのではないか」「このままでは雨漏りすると言われて修理したが、後で知人に聞いたら高額だと指摘された」などの相談があった。

 センターは「見積もりは複数の業者から取り、契約の際にはよく内容を確認してほしい」と注意を呼びかけている。問い合わせや相談はセンター=電話076(267)6110=へ。

 

この記事を印刷する

北陸中日新聞から
石川
富山