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能登半島地震特集

大きな『縁』 能登で結ぶ 吉川壽一さんが書

5メートル四方の白い布に全身を使って筆を走らせる吉川さん(右)。「縁」の文字のまわりを丸で囲んだ=志賀町内のホテルで

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 第十七回日米草の根交流サミットを締めくくる「クロージングセッション」が十一日、志賀町の能登ロイヤルホテルで開かれ、アメリカのパネリストから「能登は特別なところ。これほど温かい人たちはいない」と“能登賛歌”であふれた。 (小塚泉)

 ディスカッションに先立ち、NHK大河ドラマ「武蔵」の題字の揮毫(きごう)やエッフェル塔広場、天安門広場での書の披露など世界を舞台に活躍する吉川壽一さん(福井市在住)が五メートル四方の白い布に「縁」の文字を書いた。

 重さ二十キロはあるという筆を全身で走らせ、「縁」の文字をさらに丸で囲んだ。青空に喜びを託して青い文字を選び、「心を一つにするにはつながりがないといけない。だから縁を『円』で囲みました」と説明した。

 「縁」に託した吉川さんの思いを受けるように、ディスカッションは「縁」について語り合い、サミットの企画運営に携わるバレ・ハーグリーブスさん、ポール・マルヤマさんは、縁は英語でも「heart(ハート)」「soul(ソウル)」「care(ケア)」という言葉で表せると、能登の人たちの心を受け止めた。

 「東京と違う日本を見て貴重でした」「今までのサミットでナンバーワンです。今度はアメリカで会いましょう」と称賛の声が相次ぎ、実行委員の一人、大湯章吉さんは「地震で多くのものをなくしたが、かけがえのないご縁というきずなをいただいた」と感謝。進行役の濱博一さんは感激で涙をぬぐう場面もあり、最後は「ここに集う人たちは縁で結ばれています。出会いの時間を大切にすることを一期一会と言います」と締め喜びをともにした。

 

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