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能登半島地震特集

県6月補正案 776億7953万円 復興基金に500億円

補正予算案について会見する谷本知事=石川県庁で

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運用益、5年で30億円超

 石川県は、能登半島地震の被災地の復興と被災者の自立支援などのために五百億円の「復興基金」(仮称)を八月に創設する。谷本正憲知事が六日、二〇〇七年度六月補正予算案発表で明らかにした。十月までを目指す復興プラン策定作業の中で、地域ニーズを把握しながら基金で対応する支援事業などを絞り込むが、谷本知事はプラン策定中でも基金を前倒し活用する考えも示した。(基村祐一)

 復興基金は、県が基金の受け皿として新たに設立する財団法人に五百億円を無利子貸し付けし、これを原資に創設。五年間で発生する三十数億円の運用益により、被災者の生活の再建・安定、地域・文化の復興・振興など多岐にわたる取り組みを機動的に支援するのが目的。基金の元本は県債で賄われるが、利子の八割を国が交付税で充当する方向で調整が進められているという。

 支援対象地域は、災害救助法が適用された七尾、輪島、珠洲、志賀、穴水、能登、中能登の七市町。谷本知事は運用益の具体的な活用法はこれから検討するとしたが「地域の文化財復旧に対する所有者負担の軽減や、公営住宅の家賃軽減、地域コミュニティーの維持など、地域のニーズにあったものになるよう国と協議したい」と述べた。

 二〇〇四年の新潟県中越地震では発生から半年後に復興基金が創設されたが、谷本知事は「支援の枠組みを用意することで、被災者に少しでも安心してもらうため、(創設)時期は早いかもしれないが、予算に組み込むことを決断した」と早期創設の意義を強調した。

 復興基金は一九九一年の雲仙・普賢岳大火砕流、九五年の阪神大震災でも創設されている。 

投資的経費196億円

災害復旧

 災害の早期復旧のため、県は災害復旧事業で見込む百五十三億円のうち、六月補正予算案に九割にあたる百三十三億円を計上。また、能登有料道路復旧の県負担分として約三十三億円、ため池などの土地改良整備や集落排水処理、社会福祉施設、県立学校、指定文化財の復旧に約三十億円を盛り込み、投資的経費として百九十六億三千七百五十三万円を計上した。

 このうち輪島、珠洲市境の景勝地「八世乃洞門(はせのどうもん)」で通行止めが続く国道249号の復旧には約十二億円。県は七月二十日までに八世乃洞門を開通させる予定だが、付近の地盤が不安定なため「根本的な対策が必要」として、新たに二車線のトンネルを通す計画。トンネル開通には約二年かかる見通しだ。

 また、能登半島地震で孤立し、通行規制が続く輪島市門前町深見地区の地滑り対策に四億八千万円。谷本正憲知事は会見で、地区全体の復旧工事の完了時期を輪島市の市道は二〇〇八年三月、県の地滑り対策は〇八年十二月とした。また、深見地区の住民が帰宅可能となる時期は〇七年十二月がめどとした。

『多くの支援メニュー提供』

復興プラン

 能登半島地震の復興プラン策定には千万円を計上し、十月までの策定を目指す。既に県の復旧・復興本部の下部組織として、庁内に三つの専門プロジェクトチームが発足し、作業を進めている。谷本正憲知事は会見で「新たなまちづくりに反映できるよう、できるだけ多くの支援メニューを提供したい」と述べた。

 県防災計画の見直しには二百万円。五月末の県防災会議で計画見直しが決定し、今後、専門委員会を設置する。能登半島地震の初動対応に当たった人たちから意見を聴き、計画見直しに生かす方針。

 

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