トップ > 北陸中日新聞から > 能登半島地震特集 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事
能登半島地震特集復興へ一丸のはず… 穴水町議会議長決まらず流会
能登半島地震の被災地、石川県穴水町議会(定数一二)は十一日、改選後の新組織をつくる臨時会を開いたが議長が決まらず流会した。同町大町の仮設住宅の住民からは「復興に向け、町と議会、町民が力を合わせていかなければならないのに」と失望の声がもれた。 午後一時半、地方自治法に基づいて最年長の橋本安幸氏(80)=自民、十期=が臨時議長に就任。議席を確定しただけで休憩に入った。以後一切の審議はなく、同五時に流会した。 橋本氏によれば流会の原因は、議長をめぐって二人が就任を目指しており、一本化できなかったため。「私としては選挙ではなく指名推薦で決めたい。復興に向けての大事な時期に、争って感情的なしこりを残したくない」と説明した。 これまで同町議会は、地元の故坂本三十次元官房長官の系列が勢力を保ってきた。だが昨年一月の町長選をめぐり分裂。議員定数もことし四月の統一選から四減になったこともあり、主導権争いが混沌(こんとん)としていることも背景にはあるとの指摘もある。 この事態に仮設住宅で暮らす会社員の男性(58)は「この前の選挙でみんなあれだけ『復興』って言っていたのに、実は何も考えていないのでは。議長も決められないなんて、この先本当に不安や」と吐き捨てた。 町議会は議長選出のため十五日に再度、臨時会を開く予定。 (穴水通信部・島崎勝弘)
|