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能登半島地震特集未指定の古建築 診断 県文化財保護審委員ら 七尾で被災の3棟
能登半島地震で被災した古建築の保護を進める県教育委員会は十日、七尾市内の三つの建物について、県文化財保護審議会の委員や県建築設計事務所協会所属の建築士ら専門家による診断を行った。 震災後、国や県、市町指定文化財については、被害状況の把握や修復の検討が進められてきた。しかし、未指定の古い建築物については十分に把握できないため、建物所有者から診断希望を募ってきた。この日、診断したのはいずれも江戸時代や明治時代に建てられた未指定の古建築。 このうち明治四十一年に造られたという記録が残る七尾市桧物町の春木屋洋服店は、木造二階建ての西洋風建築。今回の地震で柱や外壁などが傷ついた。建築士らは室内の梁(はり)や柱などのゆがみを測量しながら、建物全体を見て回った。 その結果、建物そのものは修復可能であることが分かった。今後、修復の方法や文化財登録の可能性など細かい点については、専門家を紹介して、所有者と協議を進めるという。県教委文化財課では「未指定でも希少価値のある古建築を震災被害から守るため、診断を続けていきたい」としている。 (鈴木貴彦)
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