トップ > 北陸中日新聞から > 能登半島地震特集 > 記事一覧 > 3月の記事一覧 > 記事

ここから本文

能登半島地震特集

「帰りたい」しみじみ 門前・深見避難住民、自宅映像にくぎ付け

変わり果てた自宅の映像に見入る深見地区の住民=石川県輪島市門前町の阿岸公民館で

写真

 能登半島地震による土砂崩れで孤立した石川県輪島市門前町深見地区の避難住民(83人)の代表が30日、警察の同行で一時帰宅した。また、同地区民が避難する阿岸公民館では、お年寄りらが地震発生から5日ぶりに、変わり果てた自宅などを収めたビデオを食い入るように見つめた。 (伊藤弘喜)

 猿山灯台近くで海岸沿いの山間地に位置する同地区は、25日の地震発生以来、依然として土砂崩れの危険があるため住民たちは自宅の状況が確認できない状態。一時帰宅は28日以来2度目で、この日午後、地区民の代表7人が穴水署員ら6人とともにパトカーなどに分乗して訪れた。

 途中、土砂崩れ跡が見られたり現地は倒壊寸前の建物があちこちに見られるなど、地震の生々しいつめ跡が残る緊迫した雰囲気。地区民は約1時間に渡り地区内の被害状況を確認したり、傾いた自宅の中から身の回り品などを持ち出した。松井昭作さん(60)は「状況が見れたので一安心だが、いつ帰れるか」と話した。

 これに先立ち、避難住民らにせめて現状をと、同署員らが現地入りしてビデオ撮影。住民約40人は、テレビ画面の前で自宅や地形などの被害状況に目を凝らした。坂井孫一さん(81)は「ちょっと安心した」、浜田八重さん(79)は「ちょっとだけ(自宅が)映っていた。早くうちに帰りたい」と疲れた表情でつぶやいた。

 

この記事を印刷する

北陸中日新聞から
石川
富山