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能登半島地震特集

被災地「今は生活」 県議選告示

倒壊した家屋の前で、支持を訴えて握手をする候補者(手前左)=30日午前9時54分、石川県輪島市で

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 統一地方選・石川県議選が告示された30日、能登半島地震の被災地である石川県輪島市などはまとまった雨に見舞われ、屋外で作業する人の姿はまばら。同市内では候補者も選挙カーでの遊説を控えるなど配慮し、雨にぬれるポスター掲示場が選挙を知らせるだけ。被災者は「今は生活が大事。候補者には経済的負担が少しでも軽くなるよう考えてほしい」と復興への期待をにじませた。

 自宅の片づけ後に避難所に戻った同市門前町舘の無職石崎幸子さん(63)は「さすがに選挙どころではないですねえ」。市役所に罹災(りさい)証明の手続きに訪れた同市山岸、主婦田中まちこさん(51)は「選挙をずらしてほしい、というのが正直なところ。納屋で暮らす知人もおり、精神的なつらさがある。片づけを進めます」と帰宅を急いだ。

 避難所で5日目の朝を迎えた志賀町鵜野屋区長の松田外茂三さん(69)は「今は選挙より生活が大事」。一方で「大事な選挙ですし、町からは援助も受けており、投票は棄権することのないよう区民に呼びかけたい」と作業の手を休めなかった。

 店内で食器類の後片付けをする穴水町川島、飲食店主山崎峻さん(64)は「どの店も地震の被害を受けて大変や。これまでどんな選挙も必ず投票には行ったし、今回も必ず行く。候補者には復興の手助けをしてもらえるようお願いしたいねえ」と半袖姿で汗をぬぐった。

 玄関の壁などが一部はがれた七尾市中島町の坂下イソ子さん(70)は「被害は小さかったけど余震が怖い。選挙は今日からでしたか。こういうときだからこそしっかり働いてくれる人には頑張ってほしい」と話した。

 

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