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能登半島地震特集

井戸水使い、やっと洗濯 美容室経営の女性笑顔

断水が続き、井戸水を使って洗濯する女性=29日午前、石川県輪島市門前町で

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 地震でいまだに約1千戸が断水する石川県輪島市門前町。うち道下(とうげ)地区では、市の上水道配水管点検も進んで今月末にも復旧の見通しとなり、これまで井戸水での洗濯を“自粛”していた人も29日、震災後初めて洗濯を始めた。

 美容室を営む渋谷久美子さん(66)方は水道と井戸を併用する。震災後も余震による停電がない限り、井戸水を使うこともできた。それでも、「ご近所が給水所に頼る生活を強いられている中、しばらくは我慢しよう」と洗濯をやめてきた。

 店舗は倒壊を免れたが、販売用化粧品が散乱するなどめちゃめちゃになった。当分の間、営業は見送り、知人宅の後片づけのほか、避難所の手助けにも通う。

 ようやく店用のタオルや衣類を物干しざおにかけた渋谷さん。「助け合いを意識して過ごしていたが、ようやく洗濯をする気持ちになれた」と笑みがこぼれた。 (報道部・前口憲幸)

 

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