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能登半島地震特集被災で要介護の高齢者支援 認定前でも1割負担能登半島地震で最大規模の被害を受けた石川県輪島市で、自宅が被災した世帯の高齢者が、生活の激変などで介護などの福祉サービスが必要となっているケースが出始めていることが、同県の実態調査で28日、分かった。このため県は、介護保険の認定前でも1割負担で福祉サービスを受けられる特例的な対応を始めるなど、弱者への支援強化を決めた。 調査は、輪島市の門前町地区などに設置された21カ所の避難所を対象に行った。この結果、援護が必要だった高齢者は60人に達し、特に、介護などを求めている人が5人いた。県は今後、さらに同様の高齢者が増える可能性があるとみており、随時、調査を続けていく。 このため県が始めた福祉サービスの特例対応は、自治体がサービス提供事業者と代理受領契約を締結。認定前にサービスを受ける際、通常、高齢者が支払わねばならないサービス費用全額のうち、9割を自治体が立て替え払いして、高齢者の負担を大幅に軽減する。 さらに県は、出産後間もない産婦と新生児を対象に、助産師を派遣して子育ての訪問指導も、近く始める。平常時でも心労が大きい産婦が、被災でさらに厳しい状況となることが想定されるため。輪島市と穴水町の計70人に対して行う。 能登地域では28日も、午前8時8分ごろに震度5弱の揺れを感じるなど余震が継続。29日午前1時までの余震は278回に達し、県は住民らの健康状態悪化などを警戒している。 一方、石川県は28日、輪島市の宅田町、門前町館、門前町道下、穴水町の峠町の4カ所で計80戸の仮設住宅を4月末までに設置することを決めたが、輪島市から、さらに門前町館と門前町道下で各10戸の設置要望があり、同時に設置する方針。 このほか県が28日午後8時現在でまとめた県内の全半壊住宅は390戸に達した。重軽傷者は250人。
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