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能登半島地震特集

門前にボランティア133人 家の整理や避難所掃除

お年寄りやボランティアが片付けをする部屋には、地震発生の時刻で止まった時計が置かれていた=28日、石川県輪島市門前町道下で

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 能登半島地震で被害が大きかった石川県輪島市門前町で28日、全国から集まったボランティアが本格的に活動を始めた。門前東小のボランティアセンターには午前中から続々と集まり、その数は県内の64人と県外から69人の計133人に上った。散乱した家の中の整理やごみの分別をしたり、避難所の掃除などに取り組んだ。

 スコップなど道具の管理を担当した新潟県十日町市の自営業澤野崇さん(36)は2004年の新潟県中越地震の被災者だ。「がんばろう十日町」と書いた上着姿で、「昨日から仕事を休んできた。3年前の経験を伝えて恩返ししたい」と話した。

 金沢大の学生ら5人は住民に「おばあちゃん頑張って」と声をかけながら部屋の片づけをした。地震発生時刻の9時42分を指したままの時計を見つけると、感慨深げな表情をみせた。

 180人が避難している諸岡公民館では、軍手をしたボランティアが、棚などの大型ごみを分別し、収集車に黙々と詰め込んでいた。

 神戸市の大学生冨永圭太さん(23)は「阪神大震災に遭った人から当時のボランティアの活躍を聞いて、ボランティアに対する前向きな気持ちが芽生えた」と動機を語った。岡山県倉敷市から駆け付けた岡田真実さん(23)は「ギターを持ってきたので避難所で演奏できれば」と、被災者を元気づける計画を明かした。

 一方で、活動初日とあって混乱もみられた。漁港に土のう積みに向かった一行が「スコップも土のうの袋もあらへん。ほかの指示を出してくれ」とすぐにセンターに帰って来る一幕もあった。

 避難所で生活する田辺とみさん(71)は「1人ではできないし途方に暮れていた。5人が来て2時間もしない間に、たんすを起こして床もきれいにしてくれた。嫌な顔もせんと(しないで)、こんなに世話してくれるとは。災害の時は手助けせんといかんねえ」としみじみと語った。

 

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