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能登半島地震特集

心に体にぬくもり届け 全国からボランティア

被災地へ到着、さっそくごみを分別するボランティアの人たち=28日午前10時38分、石川県輪島市門前町で

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 能登半島地震から4日目の28日、朝から午後にかけて余震が能登地方を相次いで襲った。長引く避難所暮らしにより、被害が激しい輪島市門前地区では高齢者の女性2人が体調不良を訴え病院に運ばれるなど、疲労も色濃くなっている。一方で、全国から集まったボランティアらが、同地区でがれきの撤去作業などを本格的に開始し、復興のために動き出した。

 270人が避難している同市門前町の門前西小では、28日未明から明け方にかけ、高齢者3人が吐き気を訴えて、女性2人が病院に搬送、1人が保健室で休んだ。同小体育館で横になっていた同町六郎木の向猛さん(74)は「余震も続くし、家が完全に壊れているから今後のことも1人やさかい何も考えられん。精神的に疲れるね」と話した。

 こうした中、同町の門前東小に設けられたボランティアセンターには全国から次々とボランティアが訪れ、リーダーの指示を受けていた。

 180人が避難している近くの諸岡公民館では十数人がごみの分別やトイレ掃除に取り組んだ。金沢市の会社員の男性(59)は「門前町は会社の保養施設がありなじみがある。お手伝いできればと思い、会社を休んで来た。1週間くらいは活動します」と話した。

 被災生活で大量に出たごみの収集のため、各地から集まった収集車の出発式も同日午前、同町の門前高校であった。石川県構造物解体業協会や金沢市、小松市などから19台が参加。午前9時すぎに出発して輪島市門前町内8地区で可燃ごみの収集にあたった。

 石川県穴水町でもこの日、町被害対策ボランティア現地本部が発足。受け付けを済ませた県内外のボランティアが早速、被災した家屋を訪れ、片づけを手伝った。

 同町大町、東徳松さん(74)宅では町内や内灘町、鳥取県のボランティア合わせて4人が割れた食器を片づけ、台所を整頓した。東さんは足が不自由で地震当日の25日は長女(46)とともに避難所に身を寄せた。「どうにかせなならんと思っとったさかい、助かるわいね」と作業を心強く見守った。

 

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