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能登半島地震特集再出発へ ごみ出し 3日目の朝、臨時集積所に続々
現実から目をそむけたくなる震災から3日目の朝。避難所で生活するお年寄りたちは疲労を抱えながらも、気持ちを前に向け始めた。「おとろし(恐ろし)がってばっかりも、おれん」。余震は続く。それでも、炊き出しの朝食をとってから、自宅の後片づけへと足を運ぶ光景がみられた。 震度6強を観測した石川県輪島市門前町の諸岡公民館。200人弱が避難する。その隣接地に臨時のごみステーションが開設された。倒壊した民家のがれきや家財道具を積んだ軽トラックが次々と乗り付けた。 つぶれた食器棚、割れたガラス戸、粉々の屋根瓦、ビリビリの障子…。「(避難者は)少しずつ家に帰って片付けとる。せんなんことは山ほどある」。松下末吉さん(70)は、不燃可燃を仕分けしながら言った。 輪島市では、最も被害の激しかった門前町一帯の復旧を急いでいる。各家屋の危険度判定を進めているほか、家財道具や倒れたブロック塀の片づけを支援する「災害対策ボランティア現地本部」の設置を決定。28日にも始動する体制を整え、門前東小学校(同町走出)に窓口を設けた。 こうした動きを「心強い」と受け止め、動き始めたお年寄りたち。一方では足腰が痛み、外に出たくても出れずに焦りの表情をみせる人もいる。日本赤十字社のスタッフや石川県警の女性特別機動隊員らが心のケアをしながら、被災地は少しずつ復旧に向けて動いている。
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