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能登半島地震特集

力合わせさぁ復旧 2200人 避難所で一夜

倒壊した家屋から廃材を運ぶお年寄りら=26日午後0時9分、輪島市門前町で

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 能登半島地震で震度6強を観測し、最も被害の激しかった石川県輪島市。地震発生から一夜明けた26日、余震が続く中、給水や炊き出しなど被災者の支援活動が本格化した。大地震で修羅場に変わり果てた現場では、倒壊家屋の前で泣き崩れる女性や後片付けに立ち上がるお年寄りらの姿も。支援部隊らによる復旧作業、地震でショックを受けた高齢者、子どもらへの心のケアも始まった。

 〇…市のまとめによると、市内の各避難所では約2200人が一夜を明かした。26日午前5時現在で約5600世帯が断水。このうち、被害のひどかった門前町地区では全世帯の約8割に当たる約2600世帯に及ぶ。

 輪島地区では、破損が見つかった水道管の本管18本のうち8本を修復し、次第に水の出る地域が増えている。一方、門前町地区では復旧のめどが立っていない。

 電気、電話は市全域でほぼ通じるようになったという。

 市などは26日朝から公民館などで1日3回の給水を開始。炊き出しは市内2カ所で行い、市職員らが被災者に配り、仮設トイレは同日中に130基を設置。

 また、市は被災地へのボランティアを受け入れるため、ボランティアセンターの設置準備を始めた。

◆「家おしまいや」お年寄りため息

 〇…「私たち、どこで住めばいいの」。地震で自宅は傾き、倉庫が全壊した門前町地区の主婦川岸さち子さん(73)は、言いようのない不安を胸に、避難所で一夜を明かした。

 「おじいさんが建ててもう80年くらいになるが、この家はおしまいや」。さち子さんは、大きなため息を漏らした。

 夫の俊夫さん(80)もさち子さんと同じ、生まれも育ちも旧門前町。「百姓仕事が好き」というさち子さんは、26日朝もカボチャの苗の様子を見るため、避難所から自宅近くの畑へ。経済的にも苦しく俊夫さんと、駆け付けた長男信幸さん(50)は、全壊した倉庫を前に「こんなもん自分で直せるわけない」と肩を落とした。

 「落ち着いたらこの先のことを話さないといけないけど、いまはそんな雰囲気じゃないね」と俊夫さんを見やる信幸さん。「すみかを失った年寄りが離れ、高齢化、過疎化は一層加速するんじゃないか」。崩壊した実家に信幸さんはつぶやいた。

 

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