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能登半島地震特集『地震保険』関心高まる 石川の加入率12%、富山は9%能登半島地震で「地震保険」への関心が高まっている。北陸は地震が少ないという地域性もあって世帯加入率は全国平均の半分程度にとどまっている。しかし、地震翌日の26日、日本損害保険協会北陸支部(金沢市)に被災地から問い合わせが入るなど、今後は契約が増えそうだ。 地震保険は、地震による火災で家が焼失したり、揺れでの倒壊、津波で流された場合などに保険金が支払われる。単独では契約できず、火災保険とのセット契約。損保会社にとっては保険料を利益にせずに準備金として積み立てるため、収益面でのメリットがない商品でもある。 1995年の阪神大震災以降、全国で加入率が伸びているが、2005年度末の3県は石川が12・5%、富山が9・2%、福井が12・3%。全国平均の20・1%よりかなり低い。理由は「北陸は地震に対する危機感が低い」(損保協会北陸支部)ため。地震による火災は火災保険で補償されないのに「火災保険に入っているから大丈夫」という誤解も、浸透度が低い一因とみられる。 26日には能登の居住者から地震保険の問い合わせが数件、北陸支部にあった。「家がつぶれたが、どうすればいいのか」との内容だったという。北陸支部は「被災者は、今は身の回りの片づけに追われている。落ち着いたところで、地震保険の必要性が見直されるのでは」と話す。 北陸支部は同日、地震保険に関する「対策本部」を設置し、保険金支払いの体制を整えた。協会加盟の13社で構成し、本部長に東京海上日動火災保険の前原清則金沢支店長が就いた。損害調査や相談対応にあたる。 (坂本正範)
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