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能登半島地震特集

余震189回 震度4も 2600人避難 住宅損壊567棟に

 石川県輪島市などで最大で震度6強を観測した地震の発生から一夜明けた26日、現地では未明から朝にかけ震度4から1の余震が相次いだ。被災地では倒壊家屋の撤去など本格的な復旧作業が始まった。

1階部分が大きく傾き、今にも倒壊しそうな民家=26日午前10時46分、石川県穴水町で

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 総務省消防庁の26日午前11時半現在のまとめでは、地震による死者は1人、けが人は196人。全半壊や一部損壊した家屋は567棟に上った。

 政府の地震調査委員会は同日、能登半島西方沖で過去に確認された長さ約20キロの断層の一部が関連した可能性があるとの見方を示した。

 気象庁によると、同日正午までの余震は189回。震度4の地震は午前7時16分ごろ発生、震源地は能登半島沖で震源の深さはごく浅く、マグニチュード(M)は5・3と推定される。各地の震度は、震度4が七尾田鶴浜、輪島門前、志賀富来領家、穴水(石川)など。

 国土交通省、防衛省の関係者ら25人の政府調査団が、最も被害の大きかった石川県輪島市を視察。代表の溝手顕正防災担当相は「高齢化が進んでいるというので、住居や衛生面もしっかり対応する必要がある」と話した。

 輪島市では1人が死亡、60人が重軽傷を負い、家屋300棟以上が全半壊や一部損壊。石川県全体では最大で約2600人が近くの公民館などに避難。避難所では自衛隊が準備したおにぎりなどが配られた。

 石川、富山、福井、滋賀の4県の消防隊員でつくる緊急支援隊が、輪島市内で倒壊家屋の下敷きになった人がいないか調査した。

 輪島市内は約5500世帯で断水。このため市立輪島病院の透析患者約20人が予定していた透析を受けられない可能性があると分かり、同市は患者を金沢市の病院に搬送する方針を決めた。13の公立保育所が27日に修了式を予定していたが、避難所として使用されていることなどから延期した。

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 気象庁は26日、能登半島沖を震源として石川県内で観測史上初めて震度6強を記録した25日の地震を「能登半島地震」と命名した。

 「震源は海域だが、余震域が内陸(能登半島内)に食い込んでいるため『沖』は付けなかった」としている。

 地震の命名は2004年の「新潟県中越地震」以来。陸域でマグニチュード(M)7以上、海域でM7・5以上、家屋全壊百棟以上などを命名の基準にしている。

 

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