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能登半島地震特集

震度6強でも抑えられた被害 日中、逃げやすく 専門家の見方

 能登半島沖地震は最大震度6強と強い揺れを観測したが、専門家は、発生時間が日曜日の昼間だったことや、都市部の直下型地震でなかったことなどから、揺れの強さの割に被害は広がらなかったとみている。

 東海、東南海地震では、中部地方の太平洋側沿岸部で予測震度6強の地域が広がるが、名古屋大地震・火山防災研究センターの安藤雅孝教授は「今回の地震とは揺れ方が違い、はるかに長い、横揺れになる。同じ震度だから、という比較はできない」とした。

 安藤教授は、今回の地震被害について「人口が密集していない地域だったことは当然だが、時間帯などいろいろな要素がある。震度だけでは被害ははかれない」とする。

 今回、発生は日曜日の午前10時前。既に人々が活動している時間帯で、外も明るく、家屋から逃げ出しやすかったのは間違いない。安藤教授は「阪神大震災や新潟県中越地震は早朝や夜と外が暗い時に起き、倒れた家具の中で家の中から逃げ出すのも大変だった」と指摘。同大環境学研究科の福和伸夫教授も「深夜などの寝ている時間帯だったら被害は増えただろう」とする。

 建築学が専門の福和教授は地盤が強固な地域だったことも一因に挙げた。「あの地域は元々地盤が強固。例えば軟弱な名古屋地域だったら、建物の倒壊度も全然違っていたはず」と推測した。

 その上で「一般論として雪国の日本海側は太平洋側と比べて家屋のつくりがしっかりしているが、もし屋根に積雪があったら、重みが重なってもっと建物倒壊は膨らんだかも」と付け加えた。

 

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