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能登半島地震特集すき間50センチ 九死に一生 自宅全壊生き埋めの小西さん輪島市の市立輪島病院には、地震でけがややけどを負った人たちが次々に運び込まれ、医師たちが治療に追われた。
同市河井町の主婦小西美代さん(76)は、全壊した自宅の生き埋めになり、消防署員らに救出されて搬送された。小西さんは倒れた2本の柱の間にできた50センチほどのすき間に入っていたため、奇跡的に命拾いし、けがもなかった。 小西さんは茶の間でこたつに入っていて地震に遭った。長男の隆久さん(47)によると、木造2階建ての家屋はつぶれたが、小西さんは天井の太いはり2本がぶつかったすき間でうずくまり、助けを求めていて約20分後に助け出された。小西さんは「腰に痛みを感じますが、助かって良かった」と、しみじみ話した。 同病院によると、この日は本来、救急外来の受け付けのみだが、地震対応マニュアルに従って非番の医師も駆けつけ、一時は玄関ロビーにも治療所を設置して対応した。 やけどの治療を受けた同市二ツ屋町の主婦(64)は「ストーブが倒れ、上にあったやかんのお湯が足にかかった。ショックでどれだけ揺れたか覚えていません」とおびえが治まらない様子。同市新橋通の主婦(53)は「やけどはたいしたことないけど、家の中はめちゃくちゃ」とため息をついた。 25日夜までに、患者数は70人を超え、このうち女性1人が死亡、9人が入院した。
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