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能登半島地震特集続く余震募る不安 避難所の夜励まし合う住民最も被害の大きかった石川県輪島市門前町地区では、約1500人の住民が25日夕、各地に設けられた避難所に移り、時折襲う余震に不安を募らせながら、震災最初の夜を過ごした。
このうち地区の高台にある諸岡公民館は断水の上、約30畳の2つの集会室に約300人以上がひしめき合って、座る場所を確保するのが精いっぱい。住民たちは毛布で足を覆って暖を取り、ボランティアによる炊き出しのおにぎりと豚汁を食べながら励まし合った。 「ドーンと突き上げられたかと思うと猛烈な横揺れ。こんな地震は初めて。築80年の家が傾いてしまった。もう住めない」と嘆くのは、農業川岸俊夫さん(80)と幸子さん(73)夫妻。作業場も兼ねた2階建て倉庫は倒壊した。 一人暮らしだという女性(74)は「家の中はめちゃくちゃ。片付けしたいけど、一人で家にいると余震が怖くて。しばらくはここで夜を過ごすつもり」と硬い表情で話し、テレビのニュースを見つめていた。 ◇ 道路が寸断され孤立していた輪島市門前町深見の住民46人は午後5時ごろ、漁船2隻で避難。輪島市門前西小に到着して、ホッとした表情を見せた。同地区には「大丈夫だから」と19人が残っているという。 山田洋子さん(59)は金沢市から遊びに来ていた孫の翔也君(12)とともに避難した。「避難所となるはずの集会所も、裏山が崩れそうで使えず、みんなで集まって外にいた。早く帰りたい」 ◇ 志賀町酒見の酒見構造改善センターでは20人が泊まる予定。89歳の女性は「生きてきて、こんなおとろしい(恐ろしい)ことは初めてや」と恐怖を語っていた。
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