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能登半島地震特集

石川・能登で震度6強 1人死亡、189人けが

 25日午前9時42分ごろ、北陸を中心に強い地震があり、石川県の七尾市、輪島市、穴水町で震度6強、志賀町や能登町などで震度6弱、珠洲市で震度5強を観測した。富山、新潟両県で震度5弱。午後6時11分ごろには、輪島市や穴水町で震度5弱の余震があった。有感の余震は25日だけで149回に達した。

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 輪島市内で女性1人が死亡。総務省消防庁や石川県によると、石川、富山、新潟の3県で計189人が負傷した。石川県では住宅175棟が全半壊し、輪島市を中心に石川県で住民約2500人が避難。能登地方では、国道などでがけ崩れや陥没が相次いだ。

 気象庁によると、震源地は輪島市の南西約30キロの能登半島沖で、震源の深さは約11キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・9と推定される。石川県の能登、加賀の沿岸に一時、津波注意報が発令され、一部で10−20センチ程度の津波を観測した。

 気象庁は「今後1週間程度の間、最大震度5強の余震が起きる可能性がある。可能性は高くないが、場所によっては6弱の余震になることもあり得る」と警戒を呼び掛けた。石川県は輪島市など3市4町に災害救助法適用を決めた。

 石川県警によると、輪島市鳳至町上町の宮腰喜代美さん(52)が自宅の庭で灯籠(とうろう)の下敷きになり死亡。このほか、崩れたブロック塀の下敷きになったり、割れたガラスで手を切ったりして、各地で骨折や打撲などの重軽傷者が出た。

 石川県によると、輪島市や能登町などで計約1万3000戸が断水。北陸電力によると、石川、富山両県で計約16万戸が一時停電した。

 志賀町の志賀原発1、2号機は運転していなかったが、緊急停止に相当する揺れの強さを記録したという。

 石川、富山両県内のJRは全線で運転を見合わせ、上越新幹線も点検のため一部区間で運転を見合わせた。

 石川県の能登空港は滑走路などに複数のひび割れが見つかり閉鎖。七尾港の臨港道路に長さ約20メートルの亀裂が入り、埠頭(ふとう)用地で液状化現象も発生した。

 能登有料道路は路盤崩壊で一部通行止めとなり、サービスエリアに駐車中の車23台が一時孤立した。高速道路では東海北陸自動車道の小矢部砺波ジャンクション−福光などの区間が一時通行止めになった。

 政府は首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。石川県知事からの災害派遣要請で、自衛隊が航空機などによる情報収集を実施し、警察庁と消防庁も、広域緊急援助隊や緊急消防援助隊を派遣した。

 

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