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票投じた有権者、評価と注文

2017年10月23日 朝刊

 五年に及ぶ安倍政権を信任するかどうかが争われた衆院選で、自民党は、離合集散した野党に圧勝した。「森友・加計疑惑」などの批判がある中、自民に一票を託した中部地方の有権者は「経済政策に効果が出ている」「政権与党の安定感がある」などと支持した理由を挙げた。一方、「アベノミクスの恩恵を地方にも」「強引なところもあるのでもっと説明を」と注文を付ける声もあった。

 「株価が上がり、経済政策に効果が見られるので、しばらく見守りたい」。名古屋市千種区の会社員沢村泰史さん(39)は経済政策に一票を託した。野党からは「安倍一強でやりたい放題」との批判があるが、「政治は停滞しておらず、決められない政治からは一線を画している」と話す。

 三重県鈴鹿市の自営業山中義輝さん(41)は緊迫する北朝鮮情勢が気になるといい、「長年築いた日米同盟を大切にしながら、幅広い外交ができるのは自民だけ」と評価。一方で「アベノミクスの恩恵が地方の中小企業にも行き渡るようにしてほしい」と望んだ。

 消費税増税分の使い道を保育・教育無償化に充てるとの公約に賛同したのは、福井県敦賀市の岸本恵美子さん(88)。「税金を上げるのも子どもの勉強のためで必要なこと」

 長野県伊那市の自営業伊藤賢(まさる)さん(58)は「政権を担った経験が長く、どんな政策を行うかが分かる」と言い、改憲を公約に盛り込んだことにも「『戦争できる国にしようとしている』という声があるが、安倍さんは戦争をしたいと思っているわけではない」と理解を示した。一方、安全保障関連法などの強行採決について「多数決の論理で強引なところもあった。もっと議論や説明を」とも。

 長年、自民を支持してきた岐阜県各務原市の主婦山下奈月(なつき)さん(39)は「希望の党はゴチャゴチャしていて、よく分からなかった」と指摘。大津市の主婦片岡さおりさん(34)も、野党の離合集散に不信感があり「保身のためだけで動いているように見えた」。森友・加計問題の説明不足の指摘には「批判は分かるが、貴重な時間を将来のための議論に充ててほしい」と話した。

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