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安倍自民、敵失の信任 「今後も謙虚、誠実に」

2017年10月23日 朝刊

当確のバラが並ぶボードを背に、テレビ局のインタビューに答える安倍首相=22日午後10時15分、東京・永田町の自民党本部で

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 有権者は引き続き、安倍晋三首相に日本のかじ取りを託した。二十二日の衆院選で自民党は大勝。強い追い風こそ吹かなかったが、野党分裂などの「敵失」に助けられた。安倍首相に高揚感はなく、悲願の改憲にも「与党だけで発議するとは考えていない」と慎重だ。選挙戦では、少子高齢化や財政再建などにどう向きあうのか、議論は必ずしも深まらなかった。この国をどこへ導くのか−。不透明さを残したまま「安倍一強」政治が続く。

 候補者名が並んだ白板に当選確実の赤いバラがいくつも咲いた。午後九時四十分ごろ、東京・永田町の自民党本部開票センター。姿を見せた安倍晋三首相は、選挙区を制した候補に次々とバラを付けていき、無数のフラッシュを浴びた。

 二〇一二年の政権奪還を含めて国政選挙で五勝目を飾った安倍首相。テレビ各社のインタビューに硬い表情を崩さず、「勝利に謙虚に向き合わなければいけない。今後も謙虚に誠実に結果を出していく」と与党の圧勝にも浮かれた様子は見せなかった。

 自衛隊を明記する九条改憲を提起し、公約にも改憲を掲げて挑んだ。悲願へ一歩進んだ形となったが、首相は「国民的議論を深めるために一石を投じた。時期ありきではない」と言い回しは慎重。希望の党との連携を問われ、「憲法改正に前向きで建設的議論をする人が多い。他の党とも話をしていきたい」と秋波を送るのを忘れなかった。

 国会で野党に追及された「森友・加計(かけ)学園問題」には、「国会審議を全てご覧になった多くの方が理解した」と強弁。「今後も求められれば誠意をもって丁寧に説明したい」と従来の言葉を繰り返した。

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