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自公、3分の2維持 立民、野党第1党

2017年10月23日 朝刊

テレビ局のインタビューに硬い表情で答える安倍首相=22日午後10時28分、東京・永田町の自民党本部で(小平哲章撮影)

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 第四十八回衆院選が二十二日、投開票された。四年十カ月の安倍政治の継続か転換かが問われた選挙戦は、自民党が単独で過半数(二百三十三議席)を獲得し、追加公認を含めた自民と公明の与党で三分の二(三百十議席)に達した。自公連立政権が継続し、安倍晋三首相(自民党総裁)は続投する。与党に加え、希望の党、日本維新の会、日本のこころを合わせた改憲勢力が改憲発議に必要な三分の二を超え、八割に迫った。首相は改憲論議を加速させる考えを表明した。野党では、立憲民主党が公示前議席の三倍を超え、野党第一党に躍進した。希望は公示前議席を下回ることが確実になった。

 共同通信社が二十三日午前二時現在で集計した推計最終投票率(小選挙区)は53・66%。戦後最低だった二〇一四年の前回(52・66%)を1ポイント程度上回る可能性がある。

 選挙戦は、自民、公明の与党が四年十カ月の政権の実績を訴え、希望、共産、立憲民主、維新、社民の野党が「安倍一強」政治の打破を呼びかけた。多くの選挙区で野党候補が競合し、政権批判票が分散した。

 自民は群馬や岐阜で議席を独占するなど小選挙区で着実に議席を得た。首相は二十二日夜のフジテレビ番組で、改憲勢力が三分の二を維持したことを踏まえ「(自衛隊の)違憲論争に終止符を打ちたい」と自衛隊の存在を明記する改憲に意欲を示した。

 公明は九つの小選挙区で候補を擁立したが、神奈川6区で敗れ、二〇一二年、一四年と続いた小選挙区全勝はならなかった。

 立憲民主は埼玉5区、東京7区などで議席を獲得。比例代表も順調に積み上げ、公示前勢力(十六議席)から大きく増やした。

 今回の衆院選を政権選択選挙と位置付け、過半数を上回る二百三十五人を擁立した希望は、小選挙区では静岡5区や愛知2区などで議席を得たが、代表の小池百合子東京都知事のお膝元・東京で苦戦。小池代表は記者団に辞任を否定した。

 維新は地盤とする大阪の小選挙区などで議席を得た。共産は沖縄1区で、社民は沖縄2区で、それぞれ議席を維持した。

 希望にも立憲民主にも参加せず無所属で出馬した民進出身者二十一人のうち、千葉4区の野田佳彦氏、三重3区の岡田克也氏ら十八人が議席を得た。

 無所属で立候補した埼玉11区の小泉龍司、山梨2区の堀内詔子、岡山3区の阿部俊子の三氏が当選。自民は二十二日夜、三氏を十日付で追加公認したと発表した。

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