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小池氏の求心力低下 希望失速、都政運営に影響か

2017年10月23日 紙面から

 東京都の小池百合子知事が代表を務める希望の党は衆院選で苦戦を強いられた。昨年の都知事選で勝利し、今夏の都議選でも自ら率いる「都民ファーストの会」を躍進させて政界の主役に躍り出た小池氏だが、知事と党代表の「二足のわらじ」で臨んだ衆院選では一転して失速。足元の都政関係者からは求心力低下を予測する声が聞かれた。

 「『排除』発言までは勢いがあったのに。有権者が冷めてしまった」。都民ファのある都議は選挙結果を嘆いた。小池氏は公示直前に希望結党を表明した後、民進党離党者に対し安全保障政策や改憲を巡り「踏み絵」を課す考えを示した。発言は失速の引き金となり、選挙戦中には「容赦ない言い方」など党候補者からも小池氏批判が噴出。都民ファ内では「知事の人気頼みで当選した一年生都議が多い。次の都議選は大丈夫か」と、小池氏の求心力低下を懸念する声も出ているという。別の都民ファ都議は「都内の区市町村選挙にも候補を立てていくはずだったが、そういう状況ではなくなった」。

 これに対し、自民のある都議は「都議選の雪辱を果たせた」と話す。都議選の大敗からわずか三カ月で風向きが変わった形となり「小池氏はこれまで人気の高さを基盤にしてきた。失速は都政運営にも影響するのでは」と余裕をみせた。

 都議選では小池氏と手を結び、衆院選では自民と協力した公明のある都議は「知事は今回の選挙中も、公明への対決姿勢は示さなかった」と話し、小池氏が都政に専念すれば協力関係を続ける姿勢を示した。

 ある都幹部は「国政進出がうまくいかず、知事はやりたいことがなくなってしまうのではないか。都政への興味がなくならなければいいが」。別の幹部は「都民の思いは都政に専念してほしいということ。その通りに力を入れてほしい」と話した。

 (内田淳二、唐沢裕亮)

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