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女子少年院から「世の中の役に」 不在者投票で一票

2017年10月20日 夕刊

 「十八歳選挙権」が適用される衆院選の投票日を前に、群馬県榛東(しんとう)村の女子少年院「榛名(はるな)女子学園」で、少女ら十三人が不在者投票制度を使って一票を投じた。投票を通して社会とのつながりを実感。「しっかり働いて世の中の役に立ちたい」と出院後の生活に思いをはせた。

 ジャージーにサンダル姿の少女らは、教官に付き添われ、臨時の投票所となった寮舎の個室で待機。合図で一人ずつホールに出て、教官の説明を聞いてから投票用紙を受け取り、パーテーションで仕切られた机で用紙に記入。投票箱はなく、用紙を入れた封筒を担当の教官に手渡した。

 学園には、覚せい剤取締法違反や窃盗、傷害などの事件を起こした関東地方の十七〜二十歳の少女三十五人が在院。選挙権がある二十五人のうち十三人が希望し、十六〜十八日に投票した。

 「社会に関心を持ち、視野を広げることにつながれば」と担当教官。十七日に投票した少女(19)は「権利がある以上行使するのは当然。憲法を大事にし、戦争のない世の中を実現してほしいと思って選んだ」と話した。出院後はインテリア関係の仕事に就くことを希望している。「償いのためにもしっかり働いて社会の役に立ちたい」

 公選法は、禁錮刑以上の刑で服役している場合は投票できないと規定しているが、保護処分などで少年院や少年鑑別所に入っている少年少女には投票権がある。法務省によると、十八歳選挙権が国政選挙で初適用された昨年の参院選では、全国の少年院に約千四百人の有権者がいて、約四百五十人が施設内で投票した。

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