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「打倒安倍」思惑に溝 立憲民主、希望の党

2017年10月14日 紙面から

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 中盤戦に入る衆院選で、安倍政権打倒で一致しているはずの野党同士の距離感が明確になりつつある。希望の党は「安倍政権後」の自民党との大連立に含みを持たせる一方、立憲民主党は共産党など他の野党と連立せず、次の衆院選で政権獲得を目指すとしている。

 希望の党の小池百合子代表は「安倍一強政治を変えていく」ことを旗印に掲げる。だが、日本維新の会とそれぞれの地盤の東京と大阪で選挙区をすみ分けた以外は、候補の擁立で野党との競合を辞さなかった。

 自民との大連立も含めて政権獲得の可能性を広げるため、まずは自らの議席を伸ばすことを優先したからだ。しかし、野党の乱立は、結果的に序盤情勢で与党優勢を許すことになった。

 小池氏は十三日夜のBSフジ番組で、安倍晋三首相が退陣した場合の自民党との大連立の可能性について「全て選挙後だ」と改めて含みを残した。「党のスタンスは安倍政権一強許すまじの一点だ」と強調し、安倍政権後の政権の枠組みは「それこそ選挙結果(次第)だ」と語った。

 立憲民主党の枝野幸男代表は十二日の同じ番組で、共産党や社民党が候補者を取り下げたことに感謝しつつ「どこかと連立を組むことはない。今回の選挙で一定の議席を得た上で、次の選挙で単独政権を目指す」と語った。

 立憲民主は、同じ民進出身者が希望や無所属で出馬した選挙区で候補を出さなかった。衆院選後の野党再編を見据えた戦略とみられる。参院の民進側が再結集を呼び掛けたことにも、枝野氏は「いろいろな連携をしたい」と期待感を示す。

 共産は、希望を自民に近い「補完勢力」と批判。共産、社民両党は、希望に対抗馬を出した。一方で、両党は立憲民主の候補がいる多くの選挙区で候補者を取り下げた。選挙後の首相指名選挙ではともに枝野氏を推す姿勢も示している。

 (山口哲人)

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