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女性候補比率、最高の17・7% 議員数、国際的には低水準

2017年10月12日 夕刊

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 二十二日投開票の衆院選に、女性は二百九人が立候補した。数では戦後三番目に多く、全候補者数千百八十人に占める割合は17・7%と戦後最高となったが、それでも男性の五分の一にすぎない。解散前の女性議員の割合は国際的に低水準の約9%どまりで、安倍政権が掲げる「二〇二〇年までに指導的立場に占める女性の割合を30%とする」という目標には程遠い。

 「国会がもっと男女均等になるような仕組みを、各政党でつくってほしい」

 公示翌日の十一日、上智大の三浦まり教授(政治学)らの市民グループが東京都内の選挙事務所を回り、要望書を手渡した。男女の候補者数を均等にするよう求める「政治分野における男女共同参画推進法案」の早期成立が柱だ。

 今回の衆院選で、女性候補者を最も多く擁立したのは共産党の五十八人で、全候補者に占める比率は約23・9%だった。希望の党が四十七人(20・0%)で続く。また、立憲民主党が十九人(24・4%)と野党各党の比率は比較的高い。

 一方、三年前の衆院選で「女性の輝く社会」の実現を訴えていた自民党は二十五人(7・5%)にとどまっている。

 実際の政治の世界をみても、女性が十分に進出しているとは言い難い。国際的な指標となる列国議会同盟(IPU)の報告によると、百九十三カ国の下院(日本は解散前の衆議院)の女性議員の割合は、日本は百六十五位。先進七カ国(G7)では、最下位だ。

 こうした現状を受けて、各党の公約には女性の政治参加を促す政策も見られる。自民は政策集で三浦教授らが求める推進法の早期成立を目指すと明記。「女性候補の育成を率先垂範する」としている。立憲民主は一定数を女性にする「クオータ制」を国政選挙に導入すると盛り込んだ。

 三重大の岩本美砂子教授(政治学)は「政策をつくる官僚に女性が少なすぎて、女性関連の法律も少なくなりがち。官僚に依存しない議員立法の仕組みの強化や、女性議員を育てることが必要だ」と話している。

 (衆院選取材班)

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