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全国

各党公約いいじゃん? 18、19歳投票

2017年10月11日 夕刊

◆若者狙い言葉易しく/ネットで発信

 十八、十九歳の投票が初めて認められる衆院選で、各党は若者層を意識して会員制交流サイト(SNS)を使った情報発信を強化したり、イラストを用いた分かりやすい公約集を作ったりして、重点政策の説明に工夫を凝らす。近年は若者の投票率が低迷。子どものうちからいかに選挙に関心を高めるかが課題となる中、各党は若年層票の掘り起こしを狙っている。

 選挙戦で安倍政権打倒を訴える共産党は「安倍政権ってどうなの?」と題した若者向けの政策チラシを配布。「憲法9条いいじゃん。変える必要ある?」「数の力でなんでも決める安倍さんって、アブナイ」と若者の言葉を使い、反安倍色を前面に出した内容となっている。党ホームページでは「国民の声を聞かない政権、続けますか?」と問い掛ける動画を公開。インターネット利用者への訴えに知恵を絞っている。

 自民党も、SNSが若者の情報源になっていることを意識して、ツイッターで党幹部の遊説日程などの告知を始めた。一方で、子ども向け公約集「みんなへの約束」を作るなど、若い有権者から小中学生まで、幅広く政治に関心を持ってもらおうとしている。

 公約集には「お父さんとお母さんの負担を軽くします」「日本の経済をもっと元気にする」と平易な言葉が並ぶ。ゾウやサルなど動物のイラストを用いた親しみやすいデザインで、経済や教育、環境など五分野の公約を解説している。

 公明党も「こどもマニフェスト2017」を公表。「未来を担うみなさん方が、生き生きと活躍できる社会をつくりたいと考えています」として教育や子育ての政策を訴える。

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 総務省の調査によると、衆院選の二十代の投票率は一九九〇年まで50〜60%で推移。ところが二〇一二、一四年の過去二回は30%台の低い状態が続いている。各政党には若い世代の票を取り込む狙いがある。

 愛知県内の私立高校で主権者教育を担当する男性教諭は「政治に若者への目を向けさせるためには投票率向上が不可欠。自分たちの生活と政治がいかにつながるか考えさせる工夫をしている」と話す。

 衆院選では教育無償化など身近な争点が浮上していることも伝えるが「一方で中立性は求められており、個別の政党の政策は聞かれない限り教えていない。生の政治を伝えるのが一番なのに」と悩みも明かす。

 (衆院選取材班)

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