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首相退陣なら自民と協力否定せず 小池氏「反安倍」前面に

2017年10月9日 紙面から

 八日の党首討論会では、衆院選後の政権枠組みについて、安倍晋三首相(自民党総裁)と希望の党代表の小池百合子東京都知事らが応酬を交わした。首相は「自公連立政権で政策を実現するために過半数をいただきたい」と語り、希望との連携を否定。対する小池氏は「反安倍政権」の姿勢を打ち出す一方、首相が退陣した場合の自民党との協力は否定しなかった。

 首相は討論会で、希望の党や立憲民主党の結党を念頭に「今まさに起こっていることは、当選するために新しい党をつくったり合従連衡だ」と批判。衆院選で大幅に議席を減らした場合に希望や日本維新の会と連立する可能性について「私たちは脇目も振らず政策を訴えていく」と語り、念頭にないとの考えを示した。

 同時に、自民党が大幅に議席を減らした場合でも、自公両党で過半数割れしない限り、続投する考えを強調した。七月の東京都議選で小池氏と協力した公明党の山口那津男代表も「国政では自公で結束し、連立政権の運営にあたるのはいささかも揺らがない」と言い切った。

 ただ、自民党が単独過半数の二百三十三議席以上を維持しても、解散時から五十議席程度減らした場合には、党内で首相に対する批判が強まる可能性がある。その場合は小池氏に手を突っ込まれる余地が生じる。

 対する小池氏は「安倍一強の政治を正すために選択肢を示す」と反安倍政権の姿勢を強調。その上で「今後どうなるかは、まずしっかりと戦い抜き、結果としての判断になる」と「ポスト安倍」の自民党との連立には含みを残した。

 自らは衆院選に立候補せず、首相候補は選挙後に判断する方針も表明。選挙後の首相指名選挙で、自民党の石破茂元幹事長を担ぐのではないかとの臆測については「石破氏は自民党の方だ」と話した。これに先立つフジテレビ番組では「考えていない」と明言した。

 選挙後の政権枠組みや首相候補を明示しないことで、自民党が議席を大幅に減らし、安倍首相が退陣した場合の後継首相指名選挙で主導権を握る狙いがあるとみられる。

 (中根政人、大野暢子)

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