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街頭演説で首相「対北朝鮮」前面 森友、加計、改憲触れず

2017年10月5日 紙面から

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 安倍晋三首相(自民党総裁)は四日、茨城県つくば市と水戸市で街頭演説し、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射への対応に万全を尽くしていると強調した。先月二十八日の衆院解散後は首都圏を中心に遊説しているが、内容は北朝鮮対応を前面に出す一方、「森友学園」「加計(かけ)学園」の問題や改憲には一度も言及していない。安全保障や外交の分野でアピールする場面が目立ち、経済政策を打ち出した過去の国政選挙とも異なっている。

 首相は四日の演説で、北朝鮮のミサイル発射について「動きを完全に捕捉している。私たちは、しっかりと国民の命と幸せな暮らしを守り抜いていく」と訴えた。米国のトランプ大統領ら各国首脳と連携していることに触れ、「強い外交力で核・ミサイル問題や拉致問題を解決していく」と主張。経済制裁を強化していることについては「しっかり圧力をかけ、政策を変えさせていく」と理解を求めた。

 自身の衆院解散の判断に関しても「民主主義の原点はまさに選挙だ。北朝鮮の脅かしで左右されてよいはずがない」と語った。

 衆院解散後、首相が七回行った街頭演説はそれぞれ十五〜二十分ほど。いずれも北朝鮮問題に最も多くの時間を割き、消費税率10%への引き上げ時に使途を見直すことの説明や、小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」など新党への批判などを盛り込んでいる。

 一方、「森友学園」「加計学園」の話題は、自ら「丁寧に説明する」と繰り返していたにもかかわらず、街頭演説では説明していない。第二次安倍政権発足後、自民党が初めて衆院選公約の重点項目に掲げた改憲にも触れていない。 

 (中根政人)

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