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希望の擁立過半数233以上 小池氏「政権交代狙う」

2017年10月3日 紙面から

 希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は二日、都内で共同通信のインタビューに応じ、衆院選で政権交代を狙い、過半数となる二百三十三以上の候補者の擁立を目指すと明言した。第一次公認候補を三日にも発表する方針を示し「今回勝負する。当然だ」と語った。

 希望の候補者調整を担っている若狭勝前衆院議員は一日のNHK番組で政権獲得は厳しいとの認識を表明していた。小池氏はインタビューでこの発言を「そんなことはない」と否定した。

 小池氏は二日、都内で本紙のインタビューに応じ、衆院選の争点の一つである九条改憲について「議論は避けずにやっていきたい」と語った。党の理念に掲げた「原発ゼロ」に関しては「できない、と言うより、どうやって可能にするかを考えたい」と実現に意欲を示した。

 小池氏は、九条について「ずっと護憲か否かで思考停止が続いてきた。護憲や憲法改正が目的化することは間違っている」と指摘。九条改憲を優先する考えはないが、議論は拒まないとの姿勢だ。改憲については「地方自治の問題などは憲法第八章にわずかしか触れられていない。幅広く議論するべきだ」と話した。

 原発政策を巡っては、二〇一一年の東京電力福島第一原発事故後、原子力以外の火力発電などで国内の電力需要をほぼ賄っている現状を踏まえ「原発ゼロは既に実現してきた」と強調。原発に加え、老朽化した火力発電所などにも依存しないエネルギー政策を模索する考えも示した。

 犯罪の合意を処罰する「共謀罪」法については「賛成だ。日本の安全安心を守るには、シビアに考えるべきだ」と話した。

 安倍晋三首相が消費税を一九年十月に引き上げ、増収分のうち約二兆円の使い道を変え、国の借金返済から教育無償化などに充てるとした点には「ここだけをテーマにするのは間違っている。増大する社会保障全体を議論するべきだ。まだ二年もある。立ち止まるべきだ」と訴えた。

 (大野暢子、木原育子)

◆民進出身者の公認条件10項目 希望、資金提供も要求

 民進党から希望の党への合流に伴い、民進党出身者が衆院選候補者として公認申請する際に希望の党の小池百合子代表宛てに署名し、提出する「政策協定書」が二日、明らかになった。憲法改正や現実的な安全保障政策への賛意や資金提供など計十項目の同意を迫る内容となっている。民進党側も了解済みで、提出期限は三日午前九時。

 民進党出身者に政策一致を求めることで「政策や理念を度外視した野合」(与党幹部)との批判をかわすのが狙い。ただ合流を検討する前衆院議員からは「小池氏に逆らわないための『誓約書』だ」と不快感を示す声も上がる。

 協定書では、安全保障関連法について「適切に運用する。その上で、不断の見直しを行い、現実的な安保政策を支持する」とした。希望側が当初示した案では「限定的な集団的自衛権の行使を含め安保法制を基本的に容認」を求めていた。資金提供に関しては当初案が「党の指示する金額を提供」だったが、「党の指示する金額を」が削除された。

 「党の公約を順守する」との項目を巡っても両党の協議が紛糾。民進側が「希望の公約が発表されていない段階での署名は白紙委任だ」と難色を示したが、結局受け入れた。

 日本維新の会との連携を念頭に「選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わない」と明記。二〇一九年十月の消費税増税の凍結や外国人地方参政権付与の反対なども盛り込んだ。

主な政党の公約

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