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枝野氏ら民進リベラル系新党 衆院選の構図固まる

2017年10月3日 紙面から

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 民進党の枝野幸男代表代行は二日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成すると表明した。希望の党(代表・小池百合子東京都知事)に参加しないリベラル系の菅直人元首相、長妻昭選対委員長らが参加する意向だ。民進党は分裂し、公示まで一週間に迫った衆院選(二十二日投開票)は安倍政権と希望、立憲民主をそれぞれ中心とする三極が対立する構図が固まった。自民党(総裁・安倍晋三首相)は改憲案の国会発議を目指すことを柱とする公約を発表した。小池氏は政権交代のために過半数(二百三十三以上)の候補者擁立を目指す考えを明確にした。

 政権選択選挙の色合いを濃くした衆院選は「安倍一強」体制や憲法改正、消費税増税の是非を巡り三極の論戦が展開されそうだ。政権与党の自民、公明両党に対し、希望は日本維新の会と選挙協力を推進。立憲民主党は共産党などと政策の方向性が一致する。野党が政権批判票を奪い合い、共倒れとなる可能性もある。

 関係者によると、立憲民主党の代表には枝野氏が就く。枝野、菅、長妻各氏と赤松広隆元衆院副議長らは民進党に離党届を出した。三日午前、都選挙管理委員会に新党設立を届け出る予定だ。

 枝野氏は会見で新党について「立憲主義や民主主義、自由な社会を守るために結成する。社会の構成員がお互いさまに支え合う社会をつくる」と強調。「安倍政権の暴走に歯止めをかけるための大きな役割を果たす」とも語った。首相が唱える憲法九条への自衛隊明記に反対を明言した。

 希望については憲法や安全保障、消費税増税を巡るスタンスの違いを念頭に「私たちが積み重ね、目指してきた理念や政策とは異なる」と指摘。希望から立憲民主党に移行したい候補者に関し「排除しない」とした。

 民進党最大の支持団体である連合の支援を得られるとの認識も示した。

 候補者数は明確にしなかったが、比例代表では全ブロックでの擁立を目指すとした。野田佳彦前首相や岡田克也元代表ら無所属で立候補する民進党出身者との連携に期待を示した。

 希望は二日中にも第一次公認を発表する予定だったが、民進党との調整が難航し、三日にずれ込む見通しとなった。希望の若狭勝前衆院議員、民進党の玄葉光一郎総合選挙対策本部長代行は国会内で候補者調整を巡って協議した。

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