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全員公認「さらさらない」 民進合流で小池氏強調

2017年9月29日 紙面から

 新党「希望の党」代表の小池百合子東京都知事と民進党の前原誠司代表は二十九日午前、東京都内のホテルで会談し、政権交代実現に向けた連携と候補者調整を急ぐことを確認した。民進党側は事前に、前職や元職、新人の公認申請希望者のリストを提出。小池氏は会談終了後、記者団に「私たちの政策に合致するか、さまざまな観点から絞り込みをしたい。全員を受け入れることは、さらさらない」と、選別を行う考えを示した。

 小池氏は「選挙で仲間として戦えるか、ワンボイス(政策・理念での一致)で戦えるかが重要だ」と、希望の党が掲げる考え方に賛同できるかを見極める方針を強調した。希望の党の細野豪志元環境相が、元首相の菅直人、野田佳彦両氏は公認すべきでないとしたことについては「一つの考え方として総合的に考えたい」と話した。

 小池氏は、自らの衆院選立候補は改めて否定した。

 前原氏は会談後、記者団に「政党の命は理念、政策なので互いに共有し、勝てる候補(が大事だ)という話をした。政権交代を実現するため、大所高所からやっていくことを確認した」と語った。前原氏によると、公認の具体的な調整は、小池氏側近の若狭勝前衆院議員と玄葉光一郎・民進党総合選対本部長代行との間で行う。政策面での調整は、若狭氏と階猛・民進党政調会長が行う。

◆「公認遠慮を」に野田氏が不快感

 民進党の野田佳彦前首相は二十九日、細野豪志元環境相が「三権の長を経験した方々は(合流に)ご遠慮いただく」と述べたことに対し「小池さんと前原さんが決めることだ。先に離党していった人の股をくぐる気は全くない」と不快感を示した。千葉県船橋市で報道陣の取材に答えた。

 希望の党に公認されなかった場合は「(別の新党立ち上げなど)対抗して私が何かやることはない。自民党を倒す無所属の候補者として頑張る」と話した。

 一方、菅直人元首相は東京都武蔵野市の事務所で選挙報道用の写真撮影に応じたが、記者の質問には終始無言を貫き、今後の方針を明言しなかった。

◆公示に向け与野党始動

 与野党幹部は二十九日、衆院選に向けて、選挙態勢の構築や支持拡大に向けた動きをスタートさせた。

 公明党の山口那津男代表は大阪市などで街頭演説。希望の党への民進党出身者の合流に関し「希望も夢もあったものではない。『当選ファーストの党』みたいなものだ。野望、野合の党と言われている人たちに政権を任せられない」と批判した。

 自民党は岸田文雄政調会長が党本部で政権公約作成へ作業を急いだ。

 菅義偉官房長官は二十九日の記者会見で「少子高齢化社会の課題を解決するため消費税の使途を変更し、全世代型の社会保障制度をつくると訴えていきたい」と語った。

 野党では、共産党の志位和夫委員長が横浜市内で午後、演説する。

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