• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

全国

1強多弱、継続か転換か 安倍政治問う

2017年9月29日 紙面から

写真

 衆院は二十八日解散され、与野党は十月十日公示−二十二日投開票の衆院選に向け、事実上の選挙戦に突入した。民進党の前原誠司代表は二十八日の両院議員総会で、同党候補は小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」から立候補させる事実上の合流方針を説明し、了承された。一方、小池氏は記者会見で、民進党から公認申請があれば一人一人検討する方針を示した。自民党が圧倒的な議席を有する「一強多弱」の政治情勢が続く中、民進党候補が相当数、希望の党から立候補する見通しとなったことで、政権選択の選挙となる可能性が強まった。

 衆院は二十八日の本会議で、大島理森議長が解散詔書を読み上げ、解散された。民進党など野党四党は「冒頭解散」に抗議し、本会議を欠席した。

 衆院選は二〇一四年十二月以来、二年十カ月ぶり。投票日段階でほぼ四年十カ月となる第二次安倍政権の歩みや、「森友学園」「加計(かけ)学園」問題などに表れた安倍晋三首相の政治姿勢も争点となる。

 首相は憲法九条に自衛隊を明記する改憲を提案。集団的自衛権行使を認める安全保障関連法や、人権制約の恐れがある特定秘密保護法などを成立させてきた。戦後の平和主義や安全保障政策の変質が問われる。

 原発は再稼働を進めるのか、将来的に「原発ゼロ」を目指すのか。景気回復の実感や、くらしの安心の確保策も関心が高い。

 衆院定数は七月施行の改正公職選挙法で、選挙区六、比例代表四の計十減り、戦後最少の四六五。十九都道府県九十七選挙区で区割りも変更された。昨年、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられて初めての解散に伴う衆院選となる。

 首相は勝敗ラインを「与党で過半数」となる二百三十三議席に設定。獲得できなければ退陣すると明言している。

写真

主な政党の公約

新聞購読のご案内