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全国

解散、各党走る

2017年9月28日 紙面から

◆与党「全員当選へ力を結集」

 自民、公明両党は衆院解散の二十八日、国会内などでそれぞれ会合を開き、衆院選に向けた準備を加速させるとともに、結束を確認した。自民党の二階俊博幹事長はNHK番組で「われわれの確固たる決意を示さなければいけない。必ず勝利できると確信している」と述べた。吉田博美参院幹事長は国会内で開いた参院議員総会で「自民党候補全員が当選するよう力を結集してほしい」と呼び掛けた。

 自民党の岸田文雄政調会長ら政調幹部は党本部で会合を開き、衆院選公約の骨格を協議した。吉田氏は「決戦の時が来た。安定した政権が大事だ」と強調した。

 公明党の山口那津男代表も国会内での参院議員総会で「いよいよ衆院選がスタートする。腹を決めて一致団結しよう」と語った。

 民進党と希望の党(代表・小池百合子東京都知事)の事実上の合流を巡り、二階氏は「侮ることなくしっかり対応したい」と強調した。自民党幹部は「合流と言っても、ただの看板の掛け替えだ」と批判。公明党幹部は「安全保障政策が人によってばらばらだ。まとまっていけるのか」と疑問を呈した。

 自民党の逢沢一郎選挙制度調査会長は党本部で開いた政策グループ会合で、希望の党を中心とした野党の動きを念頭に「予断を許さないが、集中力と緊張感を持って決戦を戦い抜こう」と訴えた。

◆野党「敵前逃亡」政権を批判

 野党は二十八日、臨時国会冒頭での衆院解散を踏まえ「身勝手な解散で、敵前逃亡解散だ」(吉田忠智社民党党首)と安倍政権の姿勢を批判し、選挙戦で全面対決を挑む姿勢を示した。

 民進党の小川敏夫参院議員会長は党会合で衆院解散について「いよいよ国会が始まって追及の舞台(ができる)と思った時に解散だ。議論から逃げる安倍内閣は許さない。退陣に追い込むために一致団結して頑張ろう」と強調した。

 同党の松野頼久国対委員長は「北朝鮮のミサイルが飛んでいる中、解散することはありえない」と語気を強めた。

 吉田氏は党会合で「解散は立法府を軽視し、国会の役割を踏みにじる暴挙だ。安倍政権をこれ以上続けさせてはならない。憲法を生かす政治を掲げて戦う」と訴えた。日本維新の会の片山虎之助共同代表は、野党再編に関し「状況が刻々と変化して分かりにくい選挙だ。一致協力して勝ち抜きたい」と党会合で述べた。

◆共産、希望公認に対抗馬

 共産党の志位和夫委員長は二十八日の党会合で、民進党の前原誠司代表が表明した希望の党との合流方針について「重大な背信行為だ」と批判した。その上で、希望公認で出馬する候補には対抗馬を擁立する方針を示した。

 志位氏は、希望が安全保障関連法を容認していることを理由に「自民党の補完勢力だ。共闘や連携の対象にはならない」と非難。安保法に反対する勢力との共闘を今後も進める考えを示した。民進党の動きについては「合流というより一方的な吸収合併だ」と指摘した。

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