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野党共闘、協議遅れ 候補一本化、民・共の溝埋まらず

2017年9月21日 紙面から

 民進、共産、自由、社民の野党四党の幹事長、書記局長らは二十日、国会内で会談し、衆院選で協力を模索することで一致した。解散が迫る中、四党にはどこまで協力関係を深めるかで温度差があり、協議は遅れている。四党以外では、日本維新の会や、小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員が結成を目指す新党は、協力に否定的だ。選挙協力にはどのような形があるのか。三つのパターンを検証した。

 究極の共闘は合併、つまり一つの党になることだ。民進党の前身の民主党は、二〇〇三年の衆院選直前に当時の自由党と合併し、党勢を拡大した例がある。

 民進党の前原誠司代表は自由党の小沢一郎代表と目指す社会像が一致すると語っている。ただ四党となると、日米安全保障条約廃棄を綱領に掲げる共産党と民進党などが合併する可能性はない。社民党でも否定的な声が強く、非現実的だ。

 共通政策を掲げ、比例代表で統一名簿を作成して選挙を戦うのが「オリーブの木」構想だ。小沢氏が長年、実現を訴えている。各党への得票が「死に票」になりにくく、議席を上積みできる利点がある。今回は衆院選までの期間が短く、各党の調整に時間を要する統一名簿作成は至難の業だ。

 最も実現性が高いのは、選挙区での候補者一本化。野党同士のつぶし合いを避けることができる。

 昨年の参院選では、市民団体と野党四党が協議し一本化が実現。三十二ある一人区で十一勝し「安倍一強」の中で野党側が善戦した。衆院選では現時点で民進、共産両党の候補が二百以上の選挙区で競合する。

 民進党は共産党が自主的に候補者を取り下げることを期待している。大島敦幹事長は二十日、「国民から野党の候補者を(小選挙区で)一本化してほしいとの声が多く届いている。慎重に検討したい」と記者団に語った。一方の共産党は、小池晃書記局長が「共通政策の確認や相互推薦、相互支援を協議したい」と強調。一方的な譲歩はしない考えで、溝は埋まっていない。

 (山口哲人)

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