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富山

政策、対案 論じてますか 富山2区ルポ

2017年10月17日 紙面から

 安倍晋三首相による突然の衆院解散に困惑する有権者も多い中、選挙戦が折り返した。自民党の候補者は今回の解散について、有権者を納得させる説明をしているのか。一方で与党の政策を批判する野党の候補者は、対案を示せているのか。小雨が降った十六日、富山2区の街頭演説や個人演説会で候補者を追った。

自民と社民が一騎打ち

 全国的にも珍しい自民と社民の一騎打ちとなった富山2区。首相補佐官や農水副大臣などを歴任し、八選を目指す自民前職の宮腰さんに、野党間の候補者調整の末に立候補した社民新人の山崎さんが挑む。

 県議時代からの強固な地盤を持つ宮腰さんは、企業回りに精を出し、組織票固めを進める。夜は小まめに個人演説会を開き、支持を訴える。山崎さんは街頭演説を重ねて知名度向上を図り、支持層の労働組合回りにも余念がない。野党統一候補として、共産支持層なども固める。

実績強調し言及なし 宮腰さん

 「政権復帰からの五年間、景気回復や地方創生など、一定の成果は上がった。北朝鮮問題を含め、責任を持って政策に取り組めるのは自公政権だけだ」

 十六日夜の富山県滑川市での個人演説会。自民前職の宮腰光寛さん(66)は、安倍政権の成果や七期の実績を強調したが、突然の解散には全く言及しなかった。昼間は企業回りに専念していたため、街頭演説はしなかった。計三回の夜の個人演説会では、主に経済や外交政策を語った。

 陣営幹部は「限られた時間で政策に根拠があることを訴えた。優先順位の問題」と説明する。演説を聞いた五十代の女性会社員は「過去に野党に転落した反省を忘れないでほしい」と話した。 (酒井翔平)

税の使い道強く批判 山崎さん

 「政府の税金の使い方は間違っている」。午前八時、社民新人の山崎彰さん(67)は富山市内の交差点でこう切り出し、支持を呼び掛けた。

 同市南部の婦中町や八尾町など計八カ所で街頭演説。安倍政権の農業政策を「税金を使って毎年七十万トンの輸入米を買っている」と批判。「食料自給率は38%。税金はもっと農林業に使うべきだ」と訴えた。

 また「米国からオスプレイを含め六十六機の戦闘機を買うために二兆三千億円も使う」と指摘し「これは農林水産省の予算の二兆五千億円にほぼ匹敵している」と語り、農政予算の充実を訴えた。

 夜は八尾町内の公民館で、この日唯一の個人演説会に臨んだ。 (渡部穣)

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