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静岡

圧勝自民に県内有権者 期待と注文

2017年10月24日 紙面から

 県内八小選挙区のうち自民党が六議席を席巻した衆院選は二十三日、議席が確定した。全国では自民が単独過半数を獲得、公明を加えた与党で三分の二を超えた。県内有権者からは政権継続への安心感や、「数の横暴」を戒める声が交錯した。

◆「数の論理」戒める声

 浜松市中区で日用品を販売する「鍋屋」の店主、田中信之さん(74)は「自民は応援していたけれど、これじゃあまりにバランスが悪い」と苦笑した。「数の論理ではなく、少数派の声を聞く政治をしてほしい。日々の生活に関わることを声の大きさで決めてしまうのは怖い」と話す。

 気になるのは消費増税。「経験豊富な人材がそろう自民なので、消費したくなる政策を考えるなど細やかな配慮を」と語った。

 静岡市葵区の飲食店経営城野正美さん(61)は議員の不祥事や、変わらず与党が多数を握る勢力図を念頭に「現状では誰が国会議員でも一緒」と突き放す。注目するのは景気対策。「株価が上がっても一部の人だけがもうかっている。もっと社会全体にお金が回るように」と注文する。

◆「安定感」で政策推進

 同区の大学生杉山雅教さん(22)は自民の大勝について、主張や党勢、野党のまとまりのなさから「有権者は安定的な自民の信用度を選んだのでは。消去法的な考えだけれど、仕方がない」と話し、妥当な結果だったと受け止める。

 安心して就職できる環境などを求め「議席の数で権力を使わず、国民の意見をしっかり聞いて政策を進めてほしい」と要望する。

 「安定感」を切り口に投票先を選んだ浜松市中区の自営業、近藤智枝(ともえ)さん(50)は、自公政権による政策の推進力に期待をかける。解散前、国会議員のスキャンダルや暴言、失言などで国政課題の議論がなおざりになったことを嘆く。「あるべきところに納得できる形で時間とお金を使う、正しい政治を」と訴えた。

(衆院選取材班)

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