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静岡

静岡3・4・5・6・8区 出口調査分析

2017年10月23日 紙面から

 衆院選で中日新聞社は静岡3、4、5、6、8区で出口調査し、投票行動を分析した。重視した政策を二つ選んでもらったところ、全選挙区で「北朝鮮問題」と「教育・子育て」が上位を占めた。比例の投票先は5区で自民と希望が僅差となったものの全てで自民、希望、立民の順だった。3区と4区では、前回民主が集めた票を希望が大きく奪う展開とはならなかった。表は敬称略。

◆3区 非自民票 2人に割れる

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 自民、希望、無所属の三つどもえとなった3区では、宮沢博行さん(自前)が小山展弘さん(無前)に競り勝った。宮沢さんは自民支持層の73・6%を固めた一方、希望支持層は51・6%しか鈴木望さん(希元)に投票せず、33・3%は小山さんに流れた。非自民票が小山さんと鈴木さんに分散した格好だ。

 希望の公認を得られず連合推薦を受けた小山さんは民進支持層の72・6%、立民支持層の83・2%、支持政党を持たない人の48・7%の支持を集めた。

 地元には中部電力浜岡原発(御前崎市)があり、重視する政策で「原発ゼロへの姿勢」を挙げた有権者の45・9%が小山さん、28・4%が鈴木さん、25・7%が宮沢さんに投票した。

◆4区 前回民主候補の票 分散

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 ベテラン望月義夫さん(自前)に、細野豪志さんと歩調を合わせて民進を離党した田中健さん(希新)と、松原聡さん(共新)が挑んだ4区。全体の58・2%が望月さんに投票し、30・5%の田中さん、11・4%の松原さんを引き離した。

 望月さんは自民、公明支持層の八割超を固め、支持政党を持たない人の半数弱の支持も得た。立民、民進の支持層で田中さんに投じたのは六割弱だった。

 前回民主から出馬した田村謙治さんへの票の60・5%は田中さんに流れたが、21・4%が松原さんへ、18%が望月さんへとそれぞれ分散した。

 比例の投票先では自民が33・8%と最多。希望は23・2%で、立民の15・6%を上回った。

◆5区 細野さんに幅広い支持

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 三人が立候補した5区では、圧倒的に知名度の高い細野豪志さん(希前)に希望支持層の九割近くが投票。民進や、立民、維新からも幅広く支持を集め、自民支持層にも四割近く食い込んだ。吉川赳さん(自元)は自民と公明の六割近く、井口昌彦さん(共新)は共産支持層の七割超を固めたが、他からの支持を取り込み切れなかった。支持政党を持たない人でも、細野さんが67・5%と手堅く支持を集め、吉川さんは23・8%、井口さんは8・7%にとどまった。

 離党した民進の前身・民主から前回は出馬した細野さん。前回に続き今回も細野さんに投票した人は77・3%で、15・9%が吉川さん、6・8%が井口さんに流れた。

◆6区 渡辺さん票が流れ苦戦

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 三人が立候補し、接戦が繰り広げられた6区は、渡辺周さん(希前)が希望支持層の78・7%を固め、自民支持層の21・3%にも食い込んだ。支持政党を持たない人から最も多い59・1%、民進と立民支持層も六割以上の支持を集めた。前回衆院選で、渡辺さんに投票した人の二割が勝俣孝明さん(自前)に流れ、苦しい戦いとなった。

 勝俣さんは、自民支持層の76・3%を固め、公明支持層の62・5%をまとめた。ただ、支持政党を持たない人からの支持は31・2%にとどまった。内田豊さん(共新)は共産支持層の65・4%、原発ゼロを重視する人の22%が支持した。

 比例の投票先は自民が34・9%と最多。希望23・4%、立民16・7%だった。

◆8区 塩谷さん 各年代に浸透

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 自民のベテランに野党の新人二人が挑んだ8区。塩谷立さん(自前)は、自民と公明支持層の八割近くを固めたほか、七十代を除いた各年代で最も多くの支持を集めた。

 源馬謙太郎さん(希新)には希望支持層の九割が投票。民進の七割、立民と維新の五割からも支持を得た。支持政党を持たない人は源馬さんに五割、塩谷さんに三割が投票した。

 交戦権を認めないとした憲法九条を「変えない方がいい」と回答した人の投票先は、源馬さんが47・8%と最多だった。塩谷さんが34・1%と続き、護憲を訴えた嶋田初江さん(共新)は18・1%にとどまった。

 「変える方がいい」と答えた人のうち、塩谷さんには65・9%が投票した。

<出口調査の方法> 静岡3、4、5、6、8区のそれぞれ20〜30カ所の投票所で、900〜1700人程度に「誰に投票したか」「投票で重視した政策二つは何か」など9項目を尋ね、集計した。%は小数点第2位を四捨五入した。

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