• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

静岡

8区・塩谷さん 新人振り切り9選

2017年10月23日 紙面から

当選確実となった候補者の名前に花を付ける自民党の塩谷立さん=22日午後10時56分、東京・永田町の党本部で

写真

 野党の不意を突く衆院解散で、自民党は前回選同様に静岡県八小選挙区で六勝と圧勝した。解散直後は新党として立ち上がった希望の党に話題をさらわれた。県内でも全選挙区に公認候補を擁立され保守分裂の警戒を強めたが、希望は終盤に失速した。党選対委員長や閣僚ら自民前職が地元を離れて全国を応援に回る中、他の野党も存在感を示せなかった。一枚岩になれなかった野党に助けられて、自民は憲法改正を前面に出した初めての衆院選で大勝。安倍政権による改憲が現実味を帯びてきた。

 静岡8区は、自民党選対委員長の前職塩谷立さん(67)が新人の猛追を振り切り、九選を果たした。塩谷さんは東京・永田町の党本部で、安倍晋三首相とともにボードに書かれた自分の名前にバラを付け、「ひと安心した。一生懸命やっていただいた支持者や地元の議員の皆さんに感謝したい」と頬を緩めた。

 選挙期間中は全国を応援に回りながらもほぼ毎日地元に入り、「選対委員長が地元で負けたら切腹もの」と、こまめに街頭や個人演説会を開催。北朝鮮への対応や幼児教育無償化、アベノミクスの成果などを訴えた。本人不在時は市議や県議が「本人代理」のたすきを掛けて後押しした。

 これまでに二度落選した経験から、自民優勢の報道にも最後まで緊張感を持ち続けるよう呼び掛けた。「党全体の重点候補対策をする中で、『私が一番重点候補じゃないか』みたいな思いもあった」とおどけてみせた。

 浜松市中区のホテルでは、当選確実を祝う歓喜のラッパが鳴り響く中、妻の順子さん(64)が男性三人に担がれて入場。「一人一人が本人代理という意識で選挙戦を戦っていただけたおかげ」と感謝した。

主な政党の公約

新聞購読のご案内