静岡
2017年10月22日 紙面から
選挙戦最終日の21日、雨の中で有権者に支持を訴える立候補者(右)=浜松市中区で(一部画像処理) |
政権の継続を訴える自民と対抗する野党、無所属の候補計二十六人による静岡県内小選挙区の戦いが終わった。安倍一強の是非や改憲、消費税増税のあり方など争点を巡る候補者の訴えは有権者に届いたのか。選挙戦最終日の二十一日、主な候補者たちは「何としても勝ち抜きたい」「最後までの支援を」と声を振り絞った。
「筋を通すため無所属で戦った。安倍政権にお灸(きゅう)を据えるため、すべての人の受け皿になる」。選挙区内をくまなく選挙カーで遊説した前職は午後七時、地元のJR磐田駅前で最後の演説。約三百人の支援者を前に、比例復活当選もない背水の陣で挑んだ選挙戦を振り返った。
JR浜松駅前では新人が午後七時すぎ、「今は自民党と競い合う政党をつくる第一歩」と声を張った。降りしきる雨の中、「浜松は新旧交代の時だ。皆さんの声を国政に届けさせてください」と若さをアピールした。
静岡市の繁華街でも新人が演説。「総理大臣のこねが優先される社会を放置してはいけない。ずるをしたら国民が怒るということを、大人が責任を持って子どもたちに示してほしい」と語った。
優勢が伝えられる自民も最後のお願いに必死だ。浜松市中区の旧松菱跡地前では午後六時半、前職が最後の演説に臨んだ。かっぱを脱いで選挙カーの上に登り、雨にぬれながら「厳しい戦いだったが力強い支えで頑張ってきた。あと一歩、最後までのご支援を」と訴えた。
JR沼津駅北口では前職が「ずっと野党が勝ってきたから、この地域は衰退した。ふるさと再生のため、何としても小選挙区で勝ち抜きたい」と声をからした。過去二回は比例復活。初の小選挙区勝利に向け、集まった支持者に頭を下げた。
時折強い雨が降る夕暮れ時、JR静岡駅南口では前職が最後の街頭演説。「これからの三年間で世界一安心安全な国日本を実現させてほしい」と頭を下げた。現職閣僚としての実績を訴えることが中心で、改憲や消費増税などには触れなかった。
(衆院選取材班)