• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

静岡

迫る台風 「期日前」に列

2017年10月22日 紙面から

◆浜松市役所1時間待ち

台風21号の接近を前に、期日前投票に訪れた有権者で長蛇の列ができた浜松市役所=21日午後4時46分、浜松市中区で(古檜山祥伍撮影)

写真

 衆院選投開票日の二十二日は、超大型で非常に強い台風21号が県内に接近する見込みのため、期日前投票が最終日となる二十一日、県内各地の投票所は有権者でごった返した。各選管もポスター掲示場が倒れたり、飛ばされたりする被害を防ぐために撤去に向けて動きだすなど、台風接近と投開票日が重なる異例の事態に備えている。

 浜松市役所の期日前投票所では、有権者たちが廊下に長蛇の列をつくり、待ち時間は約一時間に及んだ。中区の自営業小沢康人さん(62)は「明日になって台風が近づいて、投票所に行けなくなると困るので」と四十分以上並んで投票した。同区の主婦三上秀子さん(68)は「人の列にびっくり」と疲れた様子で話した。

 磐田市役所も朝から一階ホールに列ができ、投票まで一時間半も並ぶ時間帯があった。市は職員向け駐車場を来庁者に開放し、車を誘導する職員を配置。待ち時間の長さに投票をあきらめる有権者もいたという。

 一方、浜松市選管はポスター掲示場を撤去するよう業者に指示した。対象は市内千四百十一カ所に上る。

 公選法では候補者のポスターは投開票日も掲げることが可能で、掲示場は投開票日の翌日から撤去するのが通例だ。今回は市内を含む小選挙区の3、7、8区の全候補者に撤去の承諾をもらって対応したという。市選管の担当者は「異例中の異例だ」と話した。湖西市選管も同様の対策をとり、下田市選管と伊豆の国市選管は二十二日朝から両市内の大半の掲示場を撤去する予定。

 山間部の被害に頭を悩ませるのは静岡市。葵区の梅ケ島地区は豪雨で通行止めになることが多く、市選管の担当者は「通行止めになれば、公用車も通れない。投票箱が開票所に届かない可能性もある」と話す。土砂災害などで避難勧告を出した場合には、同地区の投票所に臨時の避難所を併設することも検討している。

 県選管によると、公選法で投票終了の四時間以上前の繰り上げは認められていない。ただ、今回は人命に関わる場合に限り、各投票所の管理者の判断で繰り上げもやむを得ないという。

(衆院選取材班)

主な政党の公約

新聞購読のご案内