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静岡

県内候補者アンケート<9> 「地域活性化策」

2017年10月21日 紙面から

◆資源生かし観光推進

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 人口流出、少子高齢化に歯止めが掛からない中、実効性のある地域活性化策は急務だ。県内には世界遺産や二〇二〇年に開催される東京五輪の自転車競技など、生かすべき「素材」は多い。中日新聞社が県内小選挙区の候補者二十六人に実施したアンケートでは「静岡空港」「富士山」などに着目した観光振興策が目立った。

 自民党の前職は、静岡空港を使って訪れる外国人観光客に着目し「海の幸、山の幸をアピールした誘致」と回答した。希望の党の新人も「空港を生かして諸外国との交流を増やし、特産品や優良技術で稼ぐ」と答えた。別の二人からは大型客船の寄港が増えている清水港を生かした観光誘客策が挙げられた。希望の候補は「静岡空港という空の玄関に加え、クルーズ客船による海の玄関からの誘致」を主張した。

 選挙区の地域によっても特徴が出ている。東京五輪の自転車競技開催地となる県東部の二人は、競技を生かした観光振興、国内外のアマチュアスポーツ合宿を提案。県西部の候補からは「浜名湖を生かした観光客誘致」との回答のほか、製造業の盛んな特性を踏まえ「人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)など新技術を導入することで新たな成長産業化を図る」との意見が出た。

 自民、希望の候補の多くが観光などの産業振興策を挙げる中、共産党の候補の大半が「再生可能エネルギーの地産地消」を訴えた。

 有権者は観光振興策をどう見ているのか。富士宮市観光ガイドボランティアの会の桜場忠夫さん(69)は、宿泊施設の充実を挙げる。「富士山周辺にも観光スポットはあるのに、半日で帰ってしまったり、宿泊施設のある山梨県に流れてしまったりする現状がある」と指摘する。

 静岡市葵区で飲食店を営む近藤晃弘さん(36)は「県外や国外から観光に訪れる人が楽しむには、マイカー以外の交通網の充実が欠かせない。例えば静岡市では鉄道や高速道路など横の交通網は発達しているが、縦の交通網は弱い。国の後押しが必要」と話している。

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