静岡
2017年10月21日 紙面から
写真はいずれもポスター |
「7区は私の古里。大差で勝ちたい」。公示日以来の地元入りとなった先週末、城内実さんは遊説で新党の二人を「刺客の落下傘候補」と呼び、地元密着の自負をにじませた。
党の若手らの応援に奔走する間、陣営は独自調査で対立候補が強いとみる地域を入念に回っている。終盤も「はがきや電話作戦に総力を挙げる」(幹部)と抜かりはない。
対照的なのは日吉雄太さん。商業施設や住宅街周辺で毎日、二〜三分のミニ演説を繰り返す。公示前までの拠点だった県東部や自由党の支援者が交代で運動を手伝っている。出遅れは否めないものの、党への追い風で比例復活に望みをつなぐ。「安保政策での自民、希望との違いを強調したい」と風を最大限に利用する構えだ。
福村隆さんは、民進党の参院議員や県議、連合関係者の個人的支援を受ける。十五日は榛葉賀津也参院議員と一緒に浜北区内を回り「困っている人が安心して暮らせる政治をする」と訴えた。
連合静岡の推薦は得られなかったが、県議らのつてで個別に労組訪問を重ね、支援拡大と票の掘り起こしに努めている。
前回衆院選に続く挑戦の野沢正司さんは序盤、票田の浜松市西、北、浜北区を中心に選挙カーを走らせ、十六日に初めて湖西市へ。中盤以降は「自民と希望の改憲勢力にレッドカードを突き付ける」(選対幹部)と、訴えの中心を「安倍退陣」から「憲法九条を守ろう」などの政策へ移し浸透を図っている。
城内 実 52 自前<4>
日吉 雄太 49 立新
野沢 正司 68 共新
福村 隆 54 希新
写真はいずれもポスター |
自民党選対委員長で九期目を目指すベテランに希望、共産の新人二人が挑む。
「地元にいる時間が少なく、不安が大きくなっている。より一層の協力を」。塩谷立さんは十四日、JR浜松駅前で声を張った。党全体の選挙戦責任者として全国を応援に回る。ほぼ毎日地元に戻るが、本人がいない時は市議や県議が「本人代理」のたすきをかけて遊説している。
塩谷さんはこれまで小選挙区で敗れ、浪人も経験した。そのため自民優勢の報道に陣営は引き締めに懸命だ。「この選挙区は甘くない」と幹部は支援者に緊張感を持つよう呼び掛ける。
衆院選出馬が三回目の源馬謙太郎さんは「政治にはライバルが必要だ」と安倍一強を批判。反自民の受け皿となり、政権交代できる政党の必要性を説く。ただ希望の風は衆院解散時の勢いはない。陣営幹部は「地道に歩いて支援を広げるしかない」と話す。
維新の党公認だった前回選は比例復活に三百票弱足りず、一票の重みを痛感した源馬さん。「握手の数が票につながると信じたい」と街頭に立ち続ける。
憲法改正に前向きな自民、希望との差別化を図る嶋田初江さんは「8区で護憲派は私だけ」と声をからす。一日の街頭演説は十回を超えるが「憲法を守って」のエールに元気をもらっているという。「原発ゼロ」のほか、保育施設で三十六年働いた経験から「安心して子育てできる地域社会を目指す」と訴える。
源馬謙太郎 44 希新
塩谷 立 67 自前<8>
嶋田 初江 69 共新