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静岡

県内候補者アンケート<7> 「議員像」

2017年10月19日 紙面から

◆「公約実現こそ本分」

 二〇一四年十二月の前回衆院選から三年弱の間に、政治と金の問題や暴言、不倫疑惑など国会議員の不祥事が相次いだ。国政を委ねる議員としての品格を欠くと指摘されても仕方のない振る舞い。県内の候補者が考える「かくある議員像」とは何か。中日新聞社が静岡県内小選挙区の候補者二十六人に実施したアンケートでは五人が「公約の実現」と回答し最も多かった。

 立憲民主党の新人は「国民との約束を誠実に守ること」、共産党の新人は「公約を守る。国民の利益を守る」とそれぞれ回答した。衆院選マニフェストに反する消費税増税の決定を強行した民主党政権が二〇一二年の衆院選で大敗したことは記憶に新しい。候補者たちは、夢物語ではない具体的で約束可能な政策を有権者が求めていることを肌で感じているようだ。

 実体験に基づいたユニークな回答も目立った。地方公務員や弁護士の職歴がある立憲民主新人は「議員以外の社会経験を積むこと」と答えた。希望の党の新人は前回選で落選した経験を踏まえ「信念と覚悟」と回答した。

 「パフォーマンスでなく、見えないところで汗をかき、実行し、成果を出す」「やるべきことを訴え、こつこつきちんとやる」と回答したのはいずれも自民党前職の二人。与党の一員として、政策実現に寄与してきた自負がうかがえる。

 解散前と政党の勢力図が大きく異なり、有権者はこれまで以上に候補者本人を見極める力が問われている。候補者の個人演説会に積極的に足を運んでいるという長泉町の無職男性(84)は「目先のきれいごとを訴える候補に有権者が飛び付くから、スキャンダルを起こすような質の低い議員が増えているのでは」と指摘。「五十年後の日本を見据えた上で、今、何をするべきかを考えるのが議員の役割だと思う。実現可能な政策を掲げ、人間的に信頼できる候補を見極めたい」と語った。

(衆院選取材班)

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